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ウエンディ・ウエイガー がんの代替療法 (2004年 156P)

Ⅰ 相補代替療法を求めるがん患者への助言

①要旨

がん患者が良く利用している相補代替医療法の一部について、有効性と安全に関する現時点の科学的根拠を要約。

有効性~疾患の信仰や生存に対する効果    症状緩和に対する効果

安全性~直接的な有害作用のリスク     通常の治療法との相互作用のリスク

②はじめに

がん患者はよくスピリチュアルな治療法を行いますが、ここでは論じない。

③方法

④低脂肪

乳がんの女性に推奨するには科学的根拠が不十分だが、容認する。

前臨床期の前立腺がんの発生頻度は、アジアとアメリカでは同じ。しかし、臨床期の前立腺がんの発生頻度は、アメリカの方がはるかに高い。

アメリカに移住したアジア人(日本人、中国人)は、1世代のうちに、アメリカの平均に近い。

飽和脂肪酸、動物性脂肪を減らすと、前立腺がんの進行を遅らせる可能性がある。

⑤特殊な食事療法

マクロバイオティック~通常の治療を受けることを遅らせたり、中断させたりする場合がある。

一部のマクロバイオティックは植物性エストロゲン含有量が高いため、乳がん、子宮がんでは反対したほうが良い。

乳がんと子宮がん以外では栄養が十分な場合は、通常療法の補助手段として容認する。

⑥抗酸化ビタミンのサプリメント

ビタミンA,C,E

癌の予防にに効果がある可能性があるが、癌の進行に効果があるかは不明確。

抗酸化物質と放射線療法、化学療法の併用には特別な心配がある。

・ビタミンA

活性ビタミンAは急性前骨髄球性白血病の寛解をもたらすが、市販のビタミンAが癌の進行をとめることには効果はない。

前立腺がんを進行させる可能性がある。

ビタミンA過剰症~レチノールの形で摂取すると生ずる。カロチノイドでは生じない。

多量のビタミンAサプリメントは効果がなく、有害なことがある。

・ビタミンC

進行がん患者に対して、多量ビタミンCの効果は全くなかった(2件のランダム化比較試験)

血小板減少症、抗凝固薬服用患者、手術前後の患者は、出血の危険が高まるので、避ける。

・ビタミンE

データが不足している。一般的に容認できる。

多量の摂取は 血小板減少症、抗凝固薬服用患者、手術前後の患者は、出血の危険が高まるので、避ける。

・大豆サプリメント

乳がんの生存率、前立腺がんの前臨床期から臨床期への進行について、日本食に予防効果があることが、示唆されている。

イソフラボン類は幾つかの作用を通して、癌の進行に影響する可能性がある。

乳がんの進行に対して、大豆サプリメントが効果があるかどうか、臨床データはない。

乳がん女性と子宮体がんの女性では、大豆サプリメントの利用に反対したほうが理にかなっている。

前立腺がん患者には、その利用を容認したほうが、理にかなっている。

血小板減少症、抗凝固薬服用患者、手術前後の患者は、出血の危険が高まるので、避ける。

⑦ハーブ製品と、その他の生物学的製剤・若干の事例

・PC-SPES(8種類のハーブの抽出物からなる経口サプリメント)

・サメ軟骨

血管新生を抑制するたんぱく質を含む。 現在の経口投与、直腸投与用に作られているので、そのたんぱく質が代謝を受けずに血中に入ることは考えにくい。

経口投与によるサメ軟骨の効果は認められない。

⑧鍼灸

米国国立衛生研究所~化学療法に伴う悪心や嘔吐の治療に有効 慢性疼痛を緩和する

④マッサージ~ほとんど効果なし

ある場合を除き、容認される。

⑤運動療法

通常のがん治療の標準的な補助手段になっていない。

⑥心理療法と心身療法

がん患者の感情的障害が軽減されることが示唆される。

通常の治療法の副作用を軽減する可能性がある。

生存率向上効果については、結論が出ていない。

⑦がんの相補代替医療法におけるサプリメント、主な有害作用の種類と、通常治療との相互作用

・抗凝固作用 

ビタミンC、ビタミンE、大豆イソフラボン PC-SPES  にんにく  ショウガ  イチョウ チョウセンニンジン

血小板減少症の患者、抗凝固剤を服用している患者、手術前後の時期の患者は避けるべき

・植物性エストロゲン様作用

乳がん、子宮体がんの女性には植物性エストロゲンのサプリメントの使用には反対したほうが良い。

・通常の薬剤の濃度変化

サプリメントは、通常の薬剤の代謝に影響して、その血液濃度を変化させることがある。

マクロバイオティック食は一部の薬剤の代謝に影響する可能性がある。

・抗酸化物質と放射線療法及び化学療法との相互作用

放射線ががん細胞を傷害する作用の中心は、フリーラジカルの生成にある。したがって、抗酸化物質が放射線療法の効果を低下させる理論上のリスクがある。

抗酸化物質の同時併用は放射線療法と化学療法の効果を強めたり、弱めたりする可能性がある。

医師の処方を必要としない市販の抗酸化物質を放射線療法や化学療法と併用することは、反対するほうが賢明⇒「医師の処方があればよい」と受け取れますが

代替医療はそもそもその現代の医師に対する「アンチ」として支持されるようになった。この著書は全体に、現代医学の思考と技法を「正しい」ものとして書かれている。

そのこと自体が問題なのだ。(店長記)

⑧がん患者の相補代替療法に関する現在進行中の臨床試験

⑨相補代替医療に関するがん患者との話し合い

がん患者が相補代替医療を求める場合、医師は、患者の信念と選択を尊重しながら、科学的根拠に基づいた助言を行う義務がある。

相補代替医療法は「奇跡の特効薬」ではなく、よりはっきりした科学的根拠があるのは、がんの進行を遅らせる効果ではなく、がんに関する症状を

緩和させる効果であることを、最初に説明すべきでしょう。~相補代替医療の科学的根拠が明らかでない場合がほとんどなので、

医師自体が助言を行うことは不可能である。(このようなことをいうこと事態、医師のおもいあがりである。)

⑩結論

患者と良く話し合って。現時点では、代替医療の有効性について、科学的根拠を示すことが出来ない。

解説

1、論文の解説~ハーバード大学の研究グループの論文の全訳

2、推奨すべき療法はなし。

  容認場合によっては推奨~「前臨床期の前立腺がんに対するビタミンEのサプリメント」

  容認~多く療法

  反対~ビタミンAとビタミンC等の抗酸化物質のサプリメント

       乳がんに対する大豆サプリメント

⇒サプリメントに対する評価です。ここには、ビタミンC等、単体の化合物の有効性について語られています。これは、生成した薬が効果があるかどうか

 を調べて、薬の効能を判定する、従来型の「科学的思考」が背後にあります。最近ではこのような考えをあらため、食品自体の効果を確かめる、

 と言う研究方法が主流を占めつつある、と言われます。生薬を重んじる漢方の考え方に近づいているのでしょうか。

3、アガリクスの評価

1980年代~培養細胞や実験動物を用いた研究で腫瘍を抑制する作用や免疫能を高める作用がありことが、日本の研究で示唆された。

基礎研究の段階で有望視された化学物質が、人間を対象に研究を行った結果、効果がなかった、有害である、と言う場合が少なからずある。

がんの「進行」や「生存」に対する効果ではなく、「免疫能」「生活の質」に対する効果を調べている。しかも、その結論は「はっきりしない」

と言うものである。

「例証報告」の論文

安全性~100%安全とは言えない。

米国国立医学図書館のデーターベースによる文献検索

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi

日米の医学文献データーベースを使った研究状況

・がんの「進行」や「生存」に対するアガリクスの有効性について、その有無を判断できるだけの、適切は科学的根拠はない。

・軽度から重度にいたる有害作用が生ずる場合があるが、その頻度についてはわからない。

ランダム化比較試験は一件もなかった。

4、健康情報の信頼性を判断するには

1999~2003年 がんの臨床医学に関する米国の大きな学会(American Society of Clinical Onkology)  15015件の報告のうち、食事と栄養に関する研究は

25件しかない~この反省から、近年この研究が多くなってきた。

がんになったら、どのようなものを食べ、どのような生活をすべきか、~この問題に対する科学的研究は始まったばかりである。

<コメント>

全体に、現在の「科学的医学」的思考から一歩も出たくない、と言う姿勢が感じられます。アメリカではサプリメントか多く用いられているので

それに対する評価が多いのでしょう。このような保守的な学者の書いたこの本の中に、「スピリチュアルな療法(手かざし療法、祈り )を排除した。」

とわざわざ断りがあるのが、印象に残りました。 現在の科学では手に負えない、と言うことでしょうが、その有効性について、

無視できないことを認めているように思えました。

超ミネラル水について、このような研究を行われるのは、まだ時間がかかるのかもしれません。動物実験、免疫能の試験だけでも出来ないものでしょうか。

(2008年5月17日)

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