超ミネラル水ショップ   読書ノート   本田宏著  「誰が日本の医療を殺すのか」                               

                 
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誰が日本の医療を殺すのか    本田宏著  2007年 220P

はじめに

医師の過労 疲労

「医療にも不確実性と限界がある」は昔は人々に意識されていた。 医療の確実性が求められる時代になった。

1983年医療費が増大することは経済発展の邪魔になる。

医療、福祉 教育費が削除され、格差が拡大する~日本は徐々に衰退する

Ⅰ、今、医療現場で何が起こっているのか

①近い将来日本の医師は全滅する。

外科医志願者数が減っている。

国立循環器病センターのICU専属医師5人の一斉退職~エリート医師が名誉とキャリアを捨てて、「立ち去り型サボタージュ」

②「命の最前線では」

産科と小児科医が不足~地方都市だけでなく、大都市でも不足

分娩室5000から3000へ、産科医数は11000人から8000人へ激減(産婦人科学会2006年実態調査)

小児科医は夜間外来を閉鎖する病院が激増

③大病院では内科、麻酔科医から減っている。

開業医に転業

④国は病院つぶしに躍起になっている?

倒産が増えている(欧米と比較して、病院数が多いので、意図的に国は減らそうとしているのかも? 松下記)

社会的入院の削減

⑤10年後に入院ベット数bは4割に経る

厚生省 1996年 ~全国の療養病床数は38万人になる(長期入院のための療養病床の整備を奨励の結果)

     2006年~13万を占める「介護療養病床」は2012年に制度そのものを廃止

            医療保険は緊急入院 介護入院は介護保険で賄う。

            入院日数を現在の平均36日か27日にする。

⑥「医療難民」2万人、「介護難民」4万人の時代になる。

「医療の必要性に乏しい」の基準が曖昧

病院を追い出される患者の内、2万人は医学的管理が必要な「医療難民」 4万人が丹隠語の受け入れ態勢が整っていない「介護難民」になる(医師会発表)

⑦身内にふりかかって始めてわかる「痛み」

もと総理の母親が都内の病院で2年間も入院していたのは有名な話である。

⑧リハビリ日数の激減で医療難民が激増中

医療保険でリハビリを受けられる日数を180日に制限した(厚生省)

⑨相次ぐ医師や看護師の「逮捕・起訴」

⑩医療事故の根本原因は「人で不足」

医療事故に警察が介入してよいか疑問~医療事故の根本的な解消に役立たない

患者の為の医療でなく、自己防衛の為の医療になる

先進国ではありえない

⑪現場を無視して医療費抑制を断行する行政の愚考

高齢化と共に医療費を上げているのがOECD内では常識~700兆円の財政赤字がその背景にある。

医師不足は14万人

国は地域的偏在としている。

⑫日本の医療は今崖っぷちに立たされている。

イギリスの二の舞になる~100万人の手術待機者、救急患者でも2日くらい待たされる、肺がん手術が手遅れになっている。

ブレア政権は医療費増額政策に転換

2006年一年に100人の増員では焼け石に水

Ⅱ、どこを見渡しても日本に医師は余っていない

①超高齢化社会に向けて医療費を削る愚考

高齢化社会に突入する日本の対応は、失敗であれ成功であれ歴史に残るだろう。

日本では昔から経済の足を引っ張らないように、社会保障費を抑制してきた。

②医師は14万人不足している

2004年 医師の数~25.7万人  勤務医~16.4万人  診療所勤務~9.3万人(開業医を含む)

OECD平均 3.1人/1000人   日本2.0/1000人

医療崩壊のイギリスでも  2.3/1000人

③厚生省が「偏在」を強調するデータのうそ

医療法の配置基準は1948年制定~当時の医療は栄養と安静であり、医療技術が進歩した今の実態に合わない。

その基準をクリアーしている病院は36%にすぎない

2004年に厚生省は医師充足状況を発表したが、過去にこのようなデータは一切発表してこなかった。

④偏在しているのは役人の脳みそ

OECD平均3.1に達している都道府県はない~偏在ではなく医師の絶対数が不足している。

OECDの見解~イタリア、ギリシャは4/1000  トルコ、メキシコ、韓国は2人未満   日本 カナダ  イギリス ニュージーランド は伝統的に医師数を規制している

⑤日本の医師数は国家に統制されている

1998年関西医大病院での研修医の過労死

この間OECDより増加率は低いが、増加し続けている~高齢化で患者が増えた。 医療の高度化で医師の仕事量が増えた 事が原因か?(松下記)

⑥年間100人程度の増員は焼け石に水

2005年「医師の供給検討会」を設置して検討開始~年100人の増員を決定 しかし、絶対数の増員ではなく前倒しの増員  しかもその増員数は少なすぎる。

政府は意思不足を認めたくないのだろう。

イギリスは50%増員した。日本で50%増員とは3500人/年であるが、それでもOECD平均に達するには35年かかる。

⑦四半世紀にわたる「医療費亡国論」の呪い

2025年 2.69人/1000人になるので、医師過剰になる~政府見解

医療費亡国論1983年  厚生省保険局長 吉村仁 ~この論文に異を唱えた人はいなかった。

⑧アメリカと比べ絶望的なスタッフの数

約10倍の開き  アメリカの2倍の患者数

医師一人当たりの年間外来患者数~日本7500人  アメリカ4000人  フランス2100人  イギリス2500人

⑨労災認定基準を超えた労働時間は当たり前

Ⅲこのままでは医療ばかりか日本が崩壊する

①「三時間待ち三分診療」の舞台裏

著者の勤務実態~一回の勤務で35~8時間勤務はザラである

          ~8時回診→外来診察→事務処理→当直(救急外来、様態悪化の入院患者対応、緊急手術、)→8時から再び通常勤務→夜7時終了

雑用で10時になったり、手術で2日連続勤務も稀ではない。

勤務医の9割は2日連続泊り込み勤務があるといわれている。

勤務医の平均労働時間~68.8時間(日本外科学会)

一人の外科医の年間手術数→278~417件

②24時間365日オンコールの日々

著者の場合休日の3分の1から2分の1くらいは休日にセカンドコールで病院に駆けつける。~これは無給で行われる。

③医療の進歩が仕事量を劇的に増やした

④医師が一人何役もこなしている現場の実態

近年は抗がん剤の進歩派目覚しい   外科医が化学療法も行っている  抗がん剤治療専門医が不足している

⑤尋常でない事務作業量

医療の安全と説明責任履行の為、事務量が年々増えている。~手術承諾書

医療保険の診断書の作成

⑥「病院機能評価受審」はいらない

財団法人日本医療機能評価機構

事前に膨大な説明用資料の作成が求められる。

新卒後臨床研修を行う病院に指定されないので、やっむなくこの審査を受けざるを得ない。

この組織は全国の病院9014のうち、2370の認定完了~抗がん剤、麻酔医、病理等の専門医不足の実態を把握しているはずだ。

受審には高額な受審料が必要~合格が至上命題

過酷な勤務医の労働環境も調査して、公表すべきだ。

⑦インフォームド・コンセントの苦悩

マスコミ報道のせいか、最初から医師に不信感を抱いている人が少なくない。

一昔前~「医療にも不確実性と限界がある」という暗黙の了解があった。~果たしてそうか。昔は意思に対する妄信が多く、患者は自立していなかった。(松下記)

⑧「土下座しろ」罵倒される勤務医

⑨研修医の「過労死」はこうして起こった。

関西大学病院の研修医の給与~自給150円  アメリカ 1000万円(研修医400万円 病院600円(指導料))

現在400万円の賃金になった。

⑨過労自死

研修医だけでなく、中堅医師にも増えている

1999年 小児科医中原利郎医師が自殺

小児科の赤字  患者の増加  疲労で医療ミスが発生

⑩当直は勤務時間にあらず

新宿労働基準監督署の見解

2007年行政裁判判決で労災が認められた。

「自殺と常務には因果関係がある」~東京地裁判決

民事では棄却 現在係争中

⑪小児科医は現場を立ち去るか、死を選ぶか

乳幼児への負担を避けるため、レントゲン等の検査は出来るだけ控えるので、収入が上がらない。

小児科は一づつの診断時間が長い

民間病院は経営効率の悪い小児科を閉鎖しつつある。

公立病院に患者が集中する。

⑪安全神話が裏目の産婦人科

2002年  2004年 内診を助産婦 医師以外行ってはならない(通達)

⑫欧米では「人はだれでも間違える」が常識

⑬看護師の7割が「辞めたい」と考えている。

看護師不足数~4万人(2005年)

ベット100床当たりではアメリカの7分の1

複雑化する医療システムに対処しなければならない。

採血、ベットメーキング 患者さんの輸送等、「何でも屋」化している。

⑭女性医師増加で準備しなければならないこと

2004年国家試験~33.8%が女性

女性が増えると、全体の戦力が落ちる。これをカヴァーするために、医師の増員が必要。

⑮アメリカがさらに医師の増員をする理由

実際にフルタイムで働く医師のみをカウントする。~2000年に2.0人/1000人 に数値が減少  現在は2.6人

日本は現在でも医師免許を持つ医師全員をカウントしている。実態にそぐわない。

アメリカでは複数の調査機関が調査して、その数値をつき合わせている。~現在更に増員の政策を取っている。

⑯なぜ、「病床数は過剰」と言う嘘ががまかり通るか。

日本の療養病床は医師が配属されている。 アメリカのナーシングホームは開業医が診ている。

急性、慢性病床の合計 ~9.8

短期入院病床、ナーシングホームの合計~9.9

図3-1では、アメリカのナーシングホーム数が意図的に除かれ、日本の病床数が極端に過剰であるように人々を欺くために作成された。

2006年医療の長期入院者を退院させるために、医療費算定の点数制度を改定するために、利用された。

厚生省は慢性期の医療は介護保険に任せ、急性期の医療のみに医療保険を限定する方針である。

療養病床が激減するだろう。

日本にはアメリカのナーシングホームに当たる病床がないことが問題だ。

急性期を過ぎても、ベットですごさなければならない患者の受け入れ先が削減される。~医療難民、介護難民の急増

軽症患者の多い病院は、経営が成り立たなくなる。~高齢者施設へ転換せざるをえない。~しかし、介護保険ではたして経営は成り立つのか?(コムスンほ破綻)

日本人の8割が病院で死亡しているが、終末期医療を削減したい意図が読み取れる。

⑰看護師を金で奪い合う時代

2006年診療報酬改定~10対1看護から7対1看護へ→一見患者への手厚い政策に見えるが、看護師不足であるから、この基準を充たせない病院が出てくる。

厚生省の病院潰し政策である。

出産、子育ての終了した看護婦の活用を考えるべき。

Ⅳ、日本の医療費は本当に高いのか。

①国家財政を揺るがしているのは、医療費ではない。

一般会計 特別会計(一般会計の3倍)の合計は、GDPの7割。OECDでは2~3割  日本はこの点では後進国である。

特別会計~ガソリン税(1954年)

公共事業は50兆円  医療費31兆円 (国の実質負担は10兆円)

②高速道路の緊急電話は一台250万円

日本を除く他の6カ国の合計より多い。

お笑い公共事業~日本の海岸線の6割以上をコンクリートで多い、環境問題をいいことに、今度は取り崩しの公共事業が開始された。

           ~高速道路1キロごとに緊急電話を設置 一台250万円  その原価40万円。(悪名高い道路公団)

そもそも、携帯電話の普及した現在、緊急電話が必要なのか?

埼玉県東北自動車道では、500メートルごとに設置されていた。

③日本は社会保障の国ではなく、社会「舗装」の国

④特別会計10%カットで、20兆円捻出できる。

⑤財務省のトップがもらした本音

一般会計に占める社会保障費は23%  アメリカの社会保障費は50%

「社会保障の規模を経済の身の丈にあったものするためには、鉄の箍ををはめてギリギリと締め付けるしかない」(財務大臣・谷垣)

医療費、年金を政府は「義務的経費」と言う。~この国の本質を良く現している。

医療費が国を滅ぼす と言う考えこそ、国を滅ぼす元凶

財政赤字に公共事業費削減を当て、福祉費は消費税を上げてまかなうべし、と言う考えは間違っている。

現在の政府を信用できない。過去のやり口から見て、消費税を上げたら、公共事業を削減しなくなるから、まず、公共事業削減 を行うべし。

⑥「医療は儲かっているのだろう」は大きな誤解

都内大学病院 医師 50代~1100万円/年 

開業医はこれより多い。

⑦勤務医は退職金が殆どない。

一人前の医師には10年罹る。従って、生涯賃金は他業種より少ない。

勤務医は移動が多いので、退職金、恩給は少ない。

⑧病院は儲からないシステムになっている。

薬、医療機器の価格は国が決定して、世界一高い。(2~3倍)

薬の価格には日本の製薬メーカが世界トップレベルの競争力を維持するため、と言う名目で「援助金」が上乗せされている。

医療機器には、貿易赤字の補填として、アメリカから高く購入している。

病院の購入機器、薬剤には消費税がかかっているが、患者の医療費にはかかっていない。

⑨「薄利多売」で病院は悪戦苦闘

初診料~日本  2550円  マンハッタン 15000円~30000円

一回当たりの診察料~日本7000円  アメリカ 62000円  フランス 36000円  イギリス 25000円

盲腸の手術~アメリカ 200万円(一泊入院)   ロンドン  114万円(5泊入院)  日本 30万円(7日入院)   ソウル  51万円(5日入院)

脳梗塞リハビリ~20分で1000円

⑩治療費未払いの患者も増加

⑪開業医天国の時代も終わった。

診療時間を自由に設定でき、収入も倍になる。

「在宅医療支援診療所」~24時間365日在宅診療を行う診療所を優遇。

                 終末期医療を病院から診療所に移し、医療費の削減をもくろむ。

                 医療費の加算を大幅に引き下げる、と脅している。

                既に1万件の診療所が届出をしている。

老人保健施設への転換を求めている~介護費用では病院経営は成り立たない。

勤務医の逃げ場をを失っては、医療全体の崩壊に繋がる。

⑫医療費収入は少ないのに、国民の窓口負担はG7中トップ。

先進国では家計に占める医療費の割合を5%以下にする政策

日本は11%を越えている。この数字には医療保険費が含まれておらず、これを加味すれば更に大きくなる。

⑬日本人は冷たい「イシ」がすき。

携帯とパソコン売り上げ~26兆円  レジャー~70兆円  公的年金~31兆円  公共事業費~85兆円  パチンコ~31兆円  葬儀~15兆円

葬儀費用~300万円(首都圏400万円)  韓国、欧米等では数十万円 

これはおかしい。

日本は社会保障より、公共事業を大切にする。

国民の怒りが病院に行くよう情報操作している。

Ⅴ医療崩壊をもたらす国の「甘いワナ」

①医療格差を生む「混合診療」の恐怖

政府が財界と手を結んで推し進める「混合診療」

保険外診療を増やし、国の負担を減らそうとしている。

医療費を減らしたい政府と、医療に市場原理を導入したい財界の利害が一致。2004年医療改革法案を国会に提出~見送られたが再提出は必死。

混合診療~医療格差増大  医師の倫理崩壊  病院経営の苦しさから、混合診療の患者を先に診ることは明らか。

お金になる患者しか手術しない、ことが起こる。

②民間保険料の加入は「よーく考えよう」

病気になった時、ベットがあいていない、高齢者施設に回される、で入院できず、保険が降りないことも考えられる。

③なぜアメリカの失敗に学ばないのか。

民間の医療保険の台頭が医療費削減にならないことは、アメリカで実証済み。

1980年代に規制緩和で、民間医療保険が増えた。 膨大の利益を上げた保険会社は、医療政策にも影響力を持ち、医療費を押し上げた。

④混合医療導入より先にすべきことがあるはず

アメリカ、ヨーロッパの内科4学会による医師憲章

1、患者の利益追求=医師は患者の利益を守ることを何よりも優先し、市場・社会・管理者からの圧力に屈してはならない。
2、患者の自立性=医師は患者の自己決定権を尊重し、インフォームド・ディシジョンが下せるように患者を啓発しなければならない。
3、社会正義=医師には、医療における不平等感や差別を排除するために積極的に活動する社会的責任がある。→ここのところが決定的に医師に不足している。
                                                                      政府、官僚だけを批判できないはず。(松下記
 

⑤株式会社病院は医師を金の亡者にする。

アメリカの例~不必要な手術、正常な人を精神病院へ送る  高いコストで質の悪い医療が横行

⑥既に有名無実化している「国民皆保険」(1961年創設)

国民健康保険は崩壊寸前~格差社会、高齢化で保険料の未納が増大

加入者4700万人 半数以上が世帯主が無職、無所得者が2割。滞納者は2割

混合医療、株式会社病院が導入されれば、富裕層は国の保険から抜けてしまい、国民会保険制度は崩壊する。

⑦医療の値段は誰が決めているか。

皆保険制度は1961年導入時に医療関係者が反対した理由~診療報酬が恣意的に抑制される。安全な医療システム、医療の進歩が遅れる。

医療の値段~「中央社会保険医療協議会」で決定

少し前まで、患者、病院の代表者は含まれていなかった。

⑧医療崩壊の引き金となった新卒後臨床研究制度

⑨電子カルテルは国の第2の公共事業

本来の目的~地域医療施設間で情報を共有し治療の継続性を確保する。病院の役割分担を明確にする。

しかし、互換性がないまま、ばらばらに導入され始めた。

データの導入に手間がかかりすぎる。

ランニングコストがかかる。(数千万円)

今の医療制度ではコストに対する増収は見込めない。

⑩医師の免許更新性に物申す。

⑪メタボ予防で医療費を削減するのは無理

疾病予防で期待できるのは、発病時期を数年遅らせるだけである。

メタボ対策キャンペーンのお金は医師増員に使われるべき

Ⅵ日本の医療に明日はあるか

①世界一の評価と裏腹な医療現場

2000年WTO評価  総合1位   健康達成度 1位  平等性3位

1992年 アメリカは皆保険制度を導入しようとしたが、立ち消えになった。~経済界の猛反対、日本の貧弱な医療施設、医師待遇でアメリカ人は興味を失った

②世界一の評価でありながら、満足度は最低。

医療に対する満足度~アメリカ76.5%  日本32.2%

③なぜ日本の医療はここまで追い詰められてきたか。

「日本の医療史」酒井シズ著

病院第一号~小石川養成所~貧民救済を目的とした。

戊辰戦争期~軍陣病院開院~東大病院(有料)

順天堂病院開院~最初の私立病院(志ある医師グループによる)

その成功で、お金のある医師が続々病院を開院。政府は規制しなかった。

明治10年~官立病院71、私立病院35  西南戦争後のインフレで多くの官立病院はつぶれた~これは現在の政府と同じ

④GHQも日本の医療を非難していた。

 「研究の分野では、ある種の非常に立派な寄与がなしとげられたということは事実であ
ります。しかし他方、また多くの無駄があったということも事実であります。研究の多
くは、ただ個人的な名声を挙げるという目的のために為されました。あるいはまた飾り
のために、また医者として一層高い学位地位を求めるために為され、病人を如何にして
治療するかということを学ぶという本来の目的はすてられ顧みられませんでした。
 医学教育におけるこうした結果は、医学上の科学的貴族主義と、私的な開業医との間
の鋭い区別を設けることのうちに感じ取られてきました。開業医に及ぼしたその結果は
十分想像がつきます。すなわち、開業医は商売が繁盛してもうかるということを外にし
ては、自分の知識技能の向上を計ろうという一切の刺戟を失ってしまいました。また道
徳的名声も失いました。それ故にまた、本来医師につき従うべきものであります社会に
おける指導者たる地位を失いました。医師はしばしば単に小商人と見られるようになり
ました。医師たちの職業組合における結果も同様のものでありました。医師会は主とし
て診察科などの明細や薬品の配給に開する議論には熱中しました。しかし甚だ不完全な
初歩の科学上の計画を策定したに過ぎませんでした。病院に対して惹き起こした結果と
いえば、病院が利益を上げる企業的性格を持っているということのみ強調しました。そ
して病院の職員の、あるいはまた同じ領域における他の医師たちの科学的な知識水準を
高めるということには何等の関心をも持ちませんでした。私は暗い画ばかりを描き出そ
うと欲するものではありません。驚くほど立派な例外もたしかにあります。しかし、全
体としての状況は私が述べた通りであります(『アメリカ事情叢書』第四輯、『日本の医療史』所収)。
 

⑤過去の失敗に学ばない「富国強経」策
 「富国強経」策と呼んでいる。
 富国強兵から富国強経まで、その青写真を描いてきたのは、敗戦後も生き残った官僚組織といっていいだろう。

⑦国民が幸せになる「豊国幸民」策へ

パリダカで取材中に、ミネラルウオーターボトルに名前を書き込んで、現地の人に怒られた日本人

人の価値は一生でどれだけ稼いだかで決まる~シカゴ学派

⑧国力に応じた医療費を

特別会計の260兆円を削減せよ。

⑨イギリスは医師増加を決断、実施した。

2000年 医療費を対GDP比10%に引き上げた。医学部の定員を50%増やした。

しかし、現場の混乱は今も続く。医師養成には10年罹る。医師のモチベーションも低い。

⑩医師の絶対数を早急に増やせ。

⑪アメリカに学ぶチーム医療

日本の医師が忙しいのは「主治医制度」も影響している。

医師の技量差が治療に現れる。

「チーム医療」は専門医のチームで、技量の差が治療に現れにくい。~標準化された治療を受けることが出来る。

医師をサポートするスタッフが充実している。

⑫病院と診療所の連携も重要なキーワード

両者の垣根が合った~その原因は勤務医の過剰なプライドであった。

医師としての腕が重要で、肩書きは関係ない~医師の意識改革が必要。

病院、医師会、看護協会、薬剤師会との連携の大切。

失業対策として、スタッフを増やすべき。土木公共事業と異なり、永続的な雇用を確保できる。

⑬日本の患者が求めるのは、「赤ひげタイプ」の医師。

⑭団塊の世代とそのジュニアが押し寄せる前に

まだ、20年の余裕がある。まだ、間に合う。

⑮医療崩壊は「会議室ではやめられない」

全国の医師は、現場から実情を訴える義務と気概が求められる。

政府の発表を覆すには、根気が要るが、日本医師会の見解に変化が見られるようになった。

1986年医学部店員削減発表で医師会は賛成した。一人当たりのパイを増やせる、と見込む。

2006年NHK番組で、医師会会長の唐沢が医師不足を認めた。

「貧乏人は死ね」という世の中にしないために。

現場医師で、著者のような活動をしている人は珍しい。

中堅以上の医師が、このような活動をしてこなかったことが、現状を招いた原因の一つである。

⑯「戦う医療界のスポークスマン」として私はあきらめない。

自殺者数~一番~無職者 2番被雇用者  3番 自営業者

⑰あわりにーある官僚の言葉

「本田さん、国民や政治化に正しい判断が出来ると思いますか」

「正しい情報がなければ、正しい判断は不可能です。正しい情報を発信しなければ、戦前と同じ轍を踏みます。そして、市場sン不幸になるのは国民です

医療は社会を支えるインフラである。これなくして、日本が21世紀に反映することはありえない。

日本の医療制度を研究するに当たって、驚くことは、そのデータのなさ、である。

IMFのIFSが出している金融統計には各国の財政収支デーだが示されていているが、日本の項目を見ると財政収支の欄が全て空欄になっている。

医療費を議論する時は、OECDのヘルスデータを参照するが、日本の欄は空欄が多い。先進国では日本だけ。途上国も多くはデータをそろえつつある。

<コメント>

著者のブログを覗いてみました。全文を読むには「日経メディカル」のPW、IDが必要とな。何とも大層な!?

これで、この著者の思考パタンが理解できたような気がします。全くの野原ににたって、大空の下で思考していないのですね。

「日経メディカル」が既存の医療体制をいかに擁護してきたか、根底的な反省と批判的精神が今の医師には必要と思います。

医療費を増額することには賛成ですが、単に医師を増やせば良い、と言うことにはならないのではないでしょうか。

医療そのもの、の根底的な見直しが必要です。決して、現代の医学を見直さずに、医師を増員してもダメでしょう。

確かに献身的医師も少なくないのは理解できますが、全体として現在の日本の医師が献身的とは思えません。

医師の過労死は確かに同情すべきですが、医師が人として権利意識、自立意識に欠けるのではないでしょうか。

「立ち去り型サボタージュ」も消極的で、昔学校の歴史でならった、窮民の「逃散」を思い出しました。

日本の医師は「日本の医療史」酒井シズ著にあるような状況を現在も克服できずにいるのではないかと思います。

この辺からの根底的反省が必要でしょう。決して、単なる増加では、良い結果を生まないでしょう。

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