超ミネラル水ショップ 読書ノート マーク・A・コルビー著 日本の医療制度論 |
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日本の医療制度論 マーク・A・コルビー著 2007年 183P 序章 日本の現時点での医療システムは評価が高いが、近年中に確実に財政的に行きづまる。~2020年68兆円 2025~2035年にはGDPの25%になる。 日本の医療制度に関心を持つ理由~日本経済への影響が大きく、更に世界経済に大きな影響がある。 世界一のアメリカ医療に関する能力を活用すべきだ。 医師、医療ビジネスマン、官僚内でも統一した見解は得られなかった。 Ⅰ、問題の定義 1、人口高齢化の問題 <見解A> 高齢化社会には多くの利点がある。 ・日本は,高齢者たちを雇用し,彼らが活躍できるように最大限の努力を払わなくてはならない。 <見解B> 日本の人口高齢化は深刻な構造的問題を引き起こす。 ・日本の全体的な競争力は,産業的および革新的な生産性の双方から低下する
2、医療制度の財政健全性 ・日本の医療費はGDPの8%。しかし,この数値にはOTC薬,健康診断,周産期のケア,または診療報酬外で提供されるサービスが含まれていない <見解A>医療に資金を費やすことで経済は活性化する。 ・日本のGDPの20%もしくはそれ以上を医療に費やすことは,必ずしも悪いことではない。実際,適切に資金が使われれば,非常に多くの雇用が <見解B>医療費の増加は日本の経済を停滞させる。 ・歴史上,日本のような苦境に直面した国はなかった。 3、病院の財政健全性 <見解A> 病院は破産寸前である。医療は利益を追求するものではない! a)病床数を削減することで供給を制限し,病床利用率と効率を改善する, <見解B>資金は十分にある。病院は利益を上げないために多くの余剰資金をピンはねしている。 4、医療システムの生産性 ・日本の病院の平均在院日数は27日。米国では3日,西欧諸国ではおよそ6日。 これらの数値は,日本の医療システムは医療提供の生産性において他の先進諸国に後れをとっていることを強く示している。 ・日本は乳幼児の死亡率は世界でもっとも低く,世界一の長寿国である。 人口に対する医師の割合(人口1億2776万人に対し医師免許所有者24万人)は,他の多くの国と同様に またはそれ以上にすばらしいものであり・ <見解A> 日本の医療の生産性はとても高い。 ・日本の医師は,1日に平均60人から70人の患者を診ており,米国の医師よりも少ない給料で働いている。(米国の医師は1日当たり10人から20人の患者) ・日本では,最新の医療技術を効果的かつ広範に導入している。 <見解B>日本の医療の生産性はお粗末である。 これらのアイデアは,どちらかというと生産性の問題に対する直接的な方策のようだが・現在の医療制度に携わるほとんどの医療関係者たちが・ 日本の医療システムに携わる人々が生産性の高さにそれほど自信があるのなら,それが正確に評価され,数値化されることを受け入れるべきである。 5、在院日数 1990年には日本の病院の平均在院日数は約45日だった。これは,現在では約36日にまで低下している。これを米国の3~4日,西欧諸国の5~8 <見解A>長期入院は日本にとって構造的に不可欠である。 <見解B>日本の病院は多くの利益を得ようとして在院日数を延長しようとしている。 包括支払い方式に変えるべき。在宅ケアーの必要な人は、ナーシングホームを検討すべし。 多くはすでに免疫機能が低下している.さらに ほとんどすべての患者は 万 スーパーバクテリアがアクセスできる環境が生まれている。もし人類を壊 日本は,在院日数を短縮させるためにあらゆる努力を払わなくてはなら ない。そのためには,財政的,医学的および社会的な義務を果たさなくて はならない。在院日数を短縮するために現在の出来高払い制度を廃止し, 受けられない患者に対しては,病院ではなくナーシングホームがその答え となるだろう。 6、医薬品の消費 ・日本では,他の先進国よりも著しく大きな割合の医療費が医薬品に費やされている.他の先進国の9%から12%に対して,現在ではほぼ20%にまで減少している。 <見解A> 日本が多くの医薬品を消費しているのは合理的なだけではない。医療の質および医療管理のコストを改善する日本特有の慣習である。 ・大量使用は利益が動機となっている。 <見解B>日本の医薬品の消費はまったく不合理である。あまりに多くのお金が制度に費やされ、全体的な治療の質に悪影響を及ぼす。 理由①患者が期待する。②医師がそのように教育されてきた。③多くの人々が金を儲けることが出来る 抗生物質を安易に使用しすぎる。~耐性菌 他国並みに15%まで削減できたら、6兆円節約できる。 7、医療技術とその活用法 <見解A>技術は効果的に活用されていない 政府はコストがかかるため、最新技術を導入しない。 <見解B>技術は効果的に活用されている。 ・日本では冒険的で高価な治療ではなく、最大の費用対効果が得られると見込まれる診断と治療に資金を費やす。 8、医師教育 ・日本には80の医科大学があり,大雑把にいって毎年8000人の医師が医科大学を卒業していく。 <見解A> 医師の生涯教育に関する現在のシステムはうまく作用している。すでに疲弊しきったシステムに新たに無駄な負担を課すべきではない。 ・本当の知識は医師としての生涯にわたって診る,何百,何千もの患者との日常業務から得られる <見解B>生涯教育を早急に実施するべきだ。 1)医師免許を維持するための机上の教育時間を最小限にする。嘘もしくは虚偽の書類を作成した場合には,罰則を伴う犯罪とみなす。 医師に学習させるための唯一の方法は,定期的な試験を前提とした学習を義務化することである。 9、日本の医療文化 <見解A> 欧米の科学と日本文化が融合し,効率的かつユニークな医療システムが生まれた。 欧米的な見方からすると,日本の医療システムを推し進めている人間間係はあまりにも非組織的で,続制がとれていないように見える。 先輩後輩制度を通じて育まれる羨ましいほどの労働倫理と強いモラルである。 日本は欧米型の医療とともに東洋の全人医療や漢方治療なども取り入れている。 <見解B>日本文化の特徴には,医療の質を低下させ,経済状況を悪化させる 世界中の医療システムが直面している大きな問題の1つは,強い権力をもつ医師のエゴイズムである。 医療現場で発生する重大な事故や問題の背景には,このようなお互いにミスを隠蔽するという先輩後輩関係の質が蔓延している 日本の社会においては,重大な事故やミスが発生したときにその責任がどこにあるのかを見つけ出し,問題を改善するという仕組み_ほとんどない。 日本の患者の従順さは,世界でもトップレベルの従順さは確かに利点でもあるのだが,このような状態が長期間続くと, 現在の状況を改善するためには,日本政府は次のようなことができると思われる。 1)時期を逃さずに自発的に告発した関係者には免責保障をすることで,医療ミスの表面化を促す。
Ⅱ、経済に関する討論 1、出来高払い”対“包括支払い ・出来高払い制度は,病院および医師が行うサービスに対して,直接報酬を支払う制度である。たとえば,医師が患者を骨折と診断すれば,その医師は,患者(もしくは保険会社)に診断,治療材料および治療にかかった費用を請求することができる。最大限の医学的治療が行われるための経済的なインセンティブを提供 ・包括支払い制度では,医師は骨折の診断に対して均一に定められた報酬を受け取ることになり,事前に決められている均一の料金で治療を行う ・出来高払い制度は医療財源を無駄使いしており、包括支払い制度は最低限の医療財源しか用いられないようにしていると,それぞれ主張している。 ・2003年4月に厚生労働省は,DRG/PPS方式の制度を日本の80の国立大学病院を対象に導入した <見解A>DPCは日本の医療を破壊する。 ・日本政府は,患者にとって最善だと思われる医療が行われるために質の高い医療行為に対してより高額の診療報酬点数を定めることで, ・現在の出来高払い制度は,すべての国民が公正かつ公平で,適切な治療を受けられることを保証している。 ・DPCによって、金銭的に困難な状況にある患者が,必要な,また,時には生命に関わる治療を受けられない状況が生じることは避けられないだろう。 <見解B>DPCの実施は経済的な現実である。 ・出来高払い制度によって,世界最長の在院日数という結果が生じた。医療費の30%が医薬品に費やされることになった。その理由は,病 ・出来高払い制度の根本的な問題は,自分たちの仕事を効率的に行い,優れた臨床結果を得た医師たちに対するインセンティブがまったくないことである。 ・専門医の認定および資格授与制度は,学会の上層部が医師を評価し認定するにあたってすべての権力を握っている「先輩後輩」制度のために, 2、営利追求か非営利追求か 歴史的には,日本の医療システムは,本来的に漢方医療に基づいた治療を行う,個人経営の昔からある漢方医のネットワークに基づいたものであった。 1)すべての病院,診療所,および医師は,均一のサービスを均一の費用で提供する。 厚生労働省(旧厚生省)は診療報酬を有利にするという魅力を利用して,この大規模な独立している集団を丸め込んだ。厚労省は, <見解A>医療は利益を目的とするものではない ・利益が動機となることで,医師が患者と取り交わす社会的な契約が破られ,医療は徹底的に崩壊するだろう。 ・日本の医師たちは,同等な教育を受けた他の熟練した労働者たちよりも低い賃金で働いている。 医療を行うことはたいへん大きな名誉であり, <見解B>医療制度は利益のためである。 ・利用率によって診療報酬が均一になるという事実は,日本の医療の基本的な動機が利益であることを明確に示している。 3、市場の力 ・市場の力は大きな役割を果たすということはほとんど疑いのないことだと思われるが,多くの人々はその役割を最小限に抑えるべきだと考えている。 ・過去数年間にわたって,市場の力に対する反対意見は減少してきており,現在では,実際に市場の力を推奨する新しい規則が導入されている。現在,日本医師会, <見解A> 市場の力は人口高齢化によって現実的なものとなる。 ・生き残る病院を決めるための唯一の合理的な方法は,患者に情報を公開して,彼らに治療を受ける病院を選択させることである。市場の力によって, <見解B>医療に市場の力を受け入れてはならない。 ・工場で働く人々よりも高額な治療費で企業の重役たちに専門的な治療を行うことは,現行の憲法が制定されて以来,日本の良心として続いてきた社会的な契約 Ⅲ、 政治に関する見解 1、日本の医療における政治構造 1.厚生労働省 各団体の問にみられる競争の本質は,財務省を共通の敵とする,厚生労働省と日本医師会との弾力的関係によって,もっともよく示されている。 <見解A>医療の政治的権力構造のバランスは健全である <見解B>政治の権力構造は破綻しており,対処しなければ大きな災いをもたらす。 ・日本医師会が医師たちに対する勢力だということは,ほぼ独占であることを意味している。 2、患者団体 患者の利益弁護は,日本の医療では比較的新しい進歩である。最近においては,1990年代前半の薬害エイズ事件が記憶に新しい。 薬害エイズ事件以降,1000を超える患者団体が日本で組織された。その対象は,がん患者から,がんも含めて特定の疾患に関連する患者に至るまで, 最大の会員層は,自分たちの主張に費やす時間と資金のある膨大な人数の高齢者たちである。 <見解A>患者団体は質の高い医療に対する唯一の本当の支持者である。彼らの意見を受け入れるべきだ。 日本の政治家,官僚,そして日本医師会は,自らの行動によって,個々の患者の最良の理解者として行動することを望まないこと,もしくはできないことを証明した。医療の場において,患者団体がさらに大きな声を上げることは,必須の課題となっている 患者団体が関心をもっていると考えられるもっとも明白な領域は,技術の導入と医師の適性である。 新しい医療技術の導入が緩慢にしか進められないことは悪評となっている。 1)患者団体の代表者を中央社会保険医療協議会(中医協)に参加させ,医師と業界の代表者と同等の発言権を与える。 <見解B> 患者団体は反動的で無知であり,本質的な問題を理解していない。 3、医療産業 製薬産業,医療機器・サプライ産業,診断産業,および医療サービス産業なども含まれている。 <見解A>医療企業は偏向しており利益のみを追求している。したがって,医療の討論に参加させることさえ認めるべきではない。 政府と医療専門家は,潤沢な資金をもった強力な企業が政策に影響を与えないよ引こ,あらゆる手段をとらなくてはならない。 <見解B>医療の将来は企業の新技術への投資に大きく依存しており,医療討論における重要な要素である。 日本医師会と官僚がこの議論におけるすべての権力を掌握したなら,政策と資金の分配は不公平なものとなる Ⅳ、法律に関する見解 1、医療過誤 最近になるまで,日本では医療過誤訴訟を起こすことなどは,実際にはとても考えられないことだった。国民は最悪な事例だけに関心を寄せていたため, a)国民が医療の透明性をより要求するようになった, 米国と比較して日本の医療過誤の興味深い点は,日本では損害賠償の金額が比較的小額であることである。 <見解A>医療過誤の解決を訴訟に頼る人々は本当の日本人ではない。 医療過誤訴訟は欧米から輸入された考えであり,日本には適さない。 <見解B>医療過誤訴訟は質の高い医療と透明性を実現させる唯一の方法かもしれない。 医療過誤に対処するための合理的でバランスのとれたシステムは,医師に最新の医療技術を理解させ,品質システムを導入するための金銭的なインセンティブを 医師がすべての権力をもち,患者だけがその結果に苦しむという,崩壊したシステムを修正しようとする選択肢を無視することはできない。 2、インフォームド・コンセント 医療の用語では,インフォームド・コンセントは,患者が治療やその他の医学的な処置についてのリスクとベネフィットを知らされ, 現在,欧米諸国で意味するところのインフォームド・コンセントは, 日本においては,インフォームド・コンセントは,知識階級においては議論され討議されているものの,実際には浸透しているようには見えない。 <見解A>インフォームド・コンセントは日本の文化と繊細さに適合しない。 ・日本の医療においては,医師は診断して治療法を決定する際に患者の意見を受け入れないことが一般的である。 <見解B>インフォームド・コンセントは成熟した医療システムを実現するためには不可欠である。 歴史的な文脈からすると,インフォームド・コンセントという概念は比較的新しいものである。しかし,その歴史が新しいにもかかわらず, 他の先進国から見ると,日本でインフォームド・コンセントが浸透していないことは驚きである。現在の欧米の慣習からすると,インフォームド・ インフォームド・コンセントが浸透していないことの最大の問題は,日本の医師に対する訓練および医師免許の要件が非常に疑わしいこと, しかし,日本はインフォームド・コンセントを実施する方向へと容赦なく進んでいる。規制を整備することは,比較的容易な部分である。 1)患者には医師と病院に対して実効性のある医療過誤訴訟を起こすための能力が求められる。併せて,特に医療過誤に対する法的な特権を与える。 2)医師は,継続実施を前提としたより良い訓練を受ける。医師がインフォームド・コンセントについて無知であることが暴露されることを懸念するのなら, 3)患者のカルテ開示をより一層促進する。患者のカルテに記載された情報は,医師ではなく患者のものであるべきである。インターネットを通じて, ・インフォームド・コンセントを浸透させるためには,現在のシステムに構造的な変化が必要である。その変化のなかには,医師たちがより信頼され, 3、カルテの開示 現在の日本の法律においては,患者のカルテは医師もしくは病院の資産である。患者もしくはその家族は,自分たちの診療記録の情報について何らの カルテの開示を要求する国民の抗議への対応として,政府は最近いくつかの行動をとった。日本医師会が,患者のカルテを開示することは 現在,電子カルテを導入するための運動が進んでいる。病院開係者たちは,カルテが電子化されれば,いつどこでもそれを閲覧できるために ある日, 電子カルテが普及すれば,患者がより自由に施設を移ることが可能になり,検査や手続きが繰り返される必要がなくなることで, <見解A>カルテの開示は,患者,病院,そして医療管理の全体的なコストに悪影響を及ぼす。 医師は,患者に集中することができずに カルテに記載する内容についてほとんど口を閉ざすようになるだろう。数年前にカルテに記入したどんな事柄についても,医師が格付けされ判断される誇大妄想的なシステムが生まれることになるだろう。 これまで医師は絶対に正しいと考えていた患者を混乱させ,怒らせることさえあるかもしれない。 患者のカルテを開示するかどうかについての判断は,医師に委ねられるべきである。 電子カルテのデータベースを作成することで,すべての人々が絶えず監視される,独裁主義的な環境が促進されることになる。 <見解B>カルテを容易に閲覧できるようになれば,医療の透明性,信頼性,そして効率の向上に大きく役立つ。 患者のカルテに記載されている情報は,患者,もしくは状況によってはその家族のものである。 医師もしくは病院が,患者が他の病院にカルテをもって行き,他の医師にそれを見せるかもしれないことを知っていれば,良い記録をつけて, 電子化したデータを記録することで,医療チーム全体が,すべての患者のカルテにアクセスできるようになる。それによって,より良い,そしてより多くの 患者のプライバシーが,非常に現実的で垂要な問題だということに疑問の余地はない。だが,この問題は医師がカルテを問示しないことの言い訳 患者のカルテは,患者が求めるときにはいつでも閲覧できなくてはならない。実際に患者がカルテを閲覧することは,法律によって認められた権利であるべきだ。 4、医薬品の販売とプロモーションコード 2001年に 日本の製薬企業は医師に対する接待を大幅に縮小するための自発的な行動基準を制定した。この基準にはある種の柔軟性は存在するものの, プロモーションコードではありとあらゆる接待を医師に提供することを実質的に禁止している。製薬企業のMRは1杯のコーヒーを公立病院の医師 <見解A> プロモーションコードは浅はかで,考慮の足りない計画だ。 <見解B>熟練したMRをより効果的に活用しべきだ。 MRが四六時中医師の言いなりになっていたなら,MRが女性からゴルフの招待にまで及ぶ特別な接待をしたなら,MRが長期間にわたって 教万人のMRと,彼らが行う贅沢な接待には多くの経費がかかっている。結局は,これらの経費は患者のもとに降りかかるのである。 5、許認可制度 製品の安全性と有効性を確保するための規制は表面的には定められているものの,それはまた政府がいくらか内密の目的を達成するための理想的な方法でもある。たとえば,これらの規制によって,国内の輸入業者や卸業者のような,ある種の利害関係者の権利を保護すると同時に輸入業者から,国内で製造された製品を <見解A>近年の法改正は国内の製造業者と卸企業を保護し,新技術の市場への導入を妨げるために実施された。もっとも不利益を被るのは患者である。 新しく定められた規制の最終的な効果は,企業が法的な要求事項を満たすために必要な従業員数を増加させることである。 規制の改正の目的が,新しい医療技術が日本に導入されることを制限し,遅らせることにあるのなら,大きな成功を収めることになる。 <見解B>最近の法改正は一層の透明性と安全性をもたらす。また,明確な効果がない製品が承認されることが減少することでコスト管理にも効果的である。 承認における低レベルの仕事のために多くの効果がない製品が承認されてきた。危険な製品が承認されたために患者にリスクを抱え 製造業者もしくは輸入者は,適切な訓練を受けた品質保証責任者を設置することが求められる。品質保証責任者の仕事は製品が適正に試験され, 安全管理責任者の設置も必要となる。安全管理責任者の責務は,製品を回収するような事態が発生した場合に患者の安全を守るために対応することである。 さらに各企業のプロセス全体が問題なく実施されるように独立した審査官が必要である。 Ⅴ、 特定領域に関する討論 1、介護保険制度 日本政府は,高齢者に対する在宅医療サービスの提供を優先的に進めている。この計画の背後にある考えは,高齢者たちが病院に入院することを制限し, <見解A>介護保険制度は有益である。 ・社会が高齢化するにしたがい,高齢者には支援が必要になるということである。 ・介護保険制度には多くのホームヘルパーが必要となることから,多くの人々,主として女性たちの雇用を生み出すことが可能となり, <見解B>介護保険制度はコストがかかるだけで,効果がない。 第一の問題は,給付額があまりに低いことである。そのため,個人や企業が経済的な利益を得ることはできないだろう。 第二の問題は,ホームヘルパーに対する質の高い訓練が不足していることである。 a)給付水準を上げることで経済的に成立するようにする。 2、救急医療 日本の救急医療が他の先進国と比べると非常に遅れていることをあっさりと認めている。この格差の1つの理由は,もっとも基本的な治療でさえも医師のみが <見解A>救急医療は優先順位の問題である。 医療に対する資金がますます逼迫しているなかで,日本は本当に莫大な額の資金を,より効果的な救急医療を行うために必要な,高規格救急車, <見解B>現代社会においては質の高い救急医療を行うべきだ。 3、がんと化学療法 米国と日本におけるがんの治療法には,いくつかの注目に値する相違点がある。日本では低用量化学療法が支持されており,大量化学療法に対する強い偏見があることが指摘できる。その理由についての多くの見解がある。 大量化学療法があまり実施されていない理由には,診療報酬が低く,大量化学療法の技術についての知識がある腫傷学者たちよりも, <見解A>日本は適切ながん治療を実施している。 実際のところ,大量化学療法のほとんど堪え難い副作用を我慢できるほんのわずかな患者にとってさえも,完治できる確率はそれほど高いものではない。 好むかどうかにかかわらず,医師は,人々の生死,健康または病気に影響する可能性のある判断を下す際に,実際に神のように振る舞っているのである。 <見解B>日本は節約の為に低量抗がん剤法を採用している。 そのような見解はないはずだ(松下) 4、ホスピス・ケア <見解A>ホスピス・ケアは非常に必要とされている。 <見解B>ホスピス・ケアは必要ない。
Ⅵ、医療産業 1、日本の製薬産業 日本では,他国の10%から12%という数字と比較して,医療費全体のほぼ30%を医薬品に費やしている。 政府は,国の保険償還制度に比較的容易に参加できるよ引こして,製薬企業の成長と発展を促した。しかし,その政策のために知らず知らずのうちに <見解A> 日本の製薬産業はダイアモンドの原石である。健全な成長を促し,国際的な競争に参加できるようにすべきだ. 日本には,医薬品,仕事,そして輸出がいまだに必要である。多くの国内企業が救いを求めていることは間違いないが, 1)少なくとも当面の間は薬価の削減を止めて,資金が企業に流れるようにする。 医療費からわずかな資金を削減するために,日本の製薬産業を今犠牲にすることは,かえって悪い結果をもたらすことになるだろう。 <見解B>日本の製薬産業は瀕死の状態である。楽にしてあげるべきだ。 ほとんどの日本の製薬企業には,今日のグローバルな舞台で活躍している巨大な外資系企業と競争する力はない。 今日のグローバルな経済時勢においては,政府が保護する企業が生き残るための余地はもはや残されていないのである。 2、医療機器および医療材料産業 保険償還価格を設定する方法だけが,他国の市場よりも,日本の医療製品の価格がはるかに高い理由ではない。 コスト削減の視点から,政府は現在,参照価格制度に着目している。この制度は,価格調査を国外の市場,特に製造業者の存在する国の市場にまで <見解A>企業は不当に批判されている。政府は技術が医療システムにもたらす価値とコスト削減効果を理解していない。 医療機器および医療材料に費やされるコストは,日本の医療費全体のうちたった7%でしかない。しかし,厚生労働省はほとんどの時間を,日本でビジネスを <見解B>医療機器の価格は長期間にわたって高過ぎた。世界的な標準に引き下げる時期である. 日本では,医療機器の価格を高く設定し,その価格を維持するために製造業者,卸企業,病院,そして医師との間での共謀行為が継続的に行われてきた。 3、診断産業 早期に発見できれば,がんなどの多くの病気は,後から発見するよりも,より効果的に治療することができる。また,理論上は,早期の治療は費用対効果がより高い。 定期的な検診が実施されており,その費用を雇用主が支払ったり,個人が自費で支払うケースが増加している。日本では毎年100万以上の検診が実施されており, 製薬産業と同様に体外診断検査における進歩の大部分は,売上のほとんどを国内市場に頼っている国内企業ではなく,巨額の研究開発費と, <見解A>体外診断検査は過去に乱用されてきた。現在のトレンドは,医療システム全体にとって肯定的に捉えられる。 <見解B>現在の診断産業のトレンドは患者のケアに荒廃的な影響を及ぼしており,結局のところ制度の財政的負担を増すことになる。 包括支払い制度を実施する前に政府は体外診断検査に対して適切な保険償還を行わなくてはならない。病院で検査を実施すればよりコストがかかるが, 4、医療サービス産業 日本における医療サービスは,病院,医師,または患者にケアに直接的に関連する補助的なサービスを提供する営利を目的としたビジネスだと定義することができる。 2002年には,看護師による静脈注射が法的に認められている。しかし,最大の法律の変化は,2001年に施行された介護保険制度である。この法律は,民間の営利企業が,医師の注意深い目から離れて,高齢者の家庭で介護支援を行うことを認めるものである。 大きな障壁もまた存在している。その障壁の大部分は,患者のケアに関わるすべての事柄における医師の裁量権に関係している。 民間企業は効率を高めることができ,より安い価格で質の高い介護を提供できると主張している。民間企業の参入が想定されており, a)病院経営への参入 <見解A>規制を緩和して,民間企業がより良い,そして安価な医療を提供できるようにすべきである。 次のことを含む,すべての要素が,高い収益性が見込まれる事業を生み出す要因として存在する。 a)医師を含む,すべての医療専門家から構成される,技術を有し,十分な教育を受けた組織化された労働力。 5、卸業界 ⑤卸業界 卸企業の多くは,製造業者に対しては実質30日から60日の支払い 卸企業はまた,病院の在庫管理部門としての重要な役割も担っている。 <見解A>卸企業は無駄であり、直ちに改革が必要。 <見解B>卸企業は数千人もの雇用を生むだけでなく,製造業者と病院に価値のあるサービスを提供している。 Ⅶ、解決策はあるのか? 1、厚生労働省の重要計画 厚生労働省の計画には,医療費の削減や医療の質の向上などが目標として含まれ,抜本的に日本の医療体制を変えようとしてい 1)日本医師会の力が及んでおらず,利害関係の少ない大学病院に対してDPCの実施を義務づける。 4)病院の多様性を拡大し、医療の質の指針にまでその影響が及ぶようにする。 5)徐々に医療の質を向上させ,新しい診療報酬の効果を上げるためにできるだけ多くの大学病院以外の病院にもDPCを拡大する。入院期間が <見解A> <見解B> 1)DPCは,既得権益をもつ団体から十分な同意を得られないまま強行われた。このような幅広いイニシアチブに基づく制度は,利害関係者の 2)大学病院で働く医師の報酬は比較的低い。さらに研修や病院の引締めの結果,すでにコスト削減の感覚をかなり身につけている。 DPCの導 2、民間医療保険 <見解A> 混合診療は邪悪の権化である。 <見解B> 3、アウトカム研究 <見解A>アウトカム研究は価値あるデータを患者に提供する唯一の方法だ <見解B>アウトカムは正確さに欠け難解すぎる。ほとんどは使い物にならない。 4、医療機関の広告規制 <見解A>広告の規制緩和は自然の流れであり、患者に有利な情報を提供する。 <見解B>広告の規制緩和は医療専門家の品位を低下させ、患者の誤解を招く環境を生じさせる。 5、医師免許の更新 6、医療施設の認定制度 7、医師の生涯教育 8、病院診療部の業務委託 9、高度先進医療 1990年代後半に導入されたが、公的保険には適応されなかった。 現在、高度先進医療として100を超える技術が承認されているが、広く認知されていない。 されているものの,いまだに広く認知されていない。 <見解A>高度先進医療は新技術の墓場であり、質の高い医療に背くものだ。 <見解B>診療報酬への全面的な依存を変えることが出来れば、高度先進医療は全ての医療関係者に価値をもたらす。 10、特定機能病院 11、病院事業管理者の資格 12、クリティカルパスの標準化 Ⅷ 外国人労働者の受け入れ問題 Ⅸ 結論と推奨事項 医師会、官僚、医療産業、患者団体の中で、医師会と官僚連合の政治力が強い。 医師と患者の信頼関係の欠如。 1990年代から比べると、著しい変化あり~病院認定制度、カルテの開示、DPFの導入、政治が医師より患者に目を向け始めた。 社会主義的な医療制度が、より資本主義的な医療制度に向かいつつある~2重構造のシステム(富裕者と貧困者向けに分裂したシステム) 今後5年以内に実現 1)大学病院は実現を妨害するだろうが,DPCは最終的に導入され,医療制 2)診療報酬制度を通じて現在実施されている,ケアの提供に対する政府の <コメント> 少子高齢化、経済の停滞、格差社会が、今までの公平な医療制度を崩壊させる、と言う。現に東京の都心部の裕福な人が多く棲む地域には そのような人を対象とした医療制度をもとにした病院が存在すると言う。(例~赤坂山王病院) アメリカの後を医療分野でも追うというのだろうか。 |
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