超ミネラル水ショップ   読書ノート   水野肇著  「医療はどこへ向かうのか」                               

                 
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医療はどこへ向かうのか   水野肇著  2006年 214P

序章 医学は人間を幸福にしているか

①医学の進歩は人類のプラスになっているか(プラス、と言う語彙をこのように使っては意味不明。イメージとして理解して欲しいと言うことか?松下)

②ペニシリンで始まった戦後医学の急速な発展

「名医と言う言葉がある限り、医学は科学ではない。」

医学が科学の仲間入りしたのは、ジェンナーの種痘(1796年)

第二次大戦後に急速に発展した。ペニシリン~1927年発見 十数年後に大量生産可能になって、治療に役立った。

③医療技術の目を見張る発達。

「臨床検査の確立」~名医の価値を下げた。内科の仕事量が減少した。  免疫学 遺伝子治療に活路を見出す。

外科手術の発達~技術そのものの発達を意味しない。現在の胃の手術は18世紀にビルロートが開発したものと変わらない。麻酔、輸血、抗生物質で人間の

体をいつでも何時間でもどこでも開けられることが進歩である。

医学の発展は医学そのもではく、他の科学の発達を取り入れたからである。

20世紀後半は外科の時代であったが、21世紀は外科はなくなるかも?胃潰瘍は薬で治せる。初期癌は内視鏡手術でとれる。

④医学の進歩の裏側にある「影」

遺伝子治療~「脳をよくする遺伝子組み換え」をする医者が必ず現れる。倫理規定で規制することは難しいかも。研究者は悪魔に魂を売る場合もある。

「医学は生と死にタッチするな」と言う言葉がある。

Ⅰ、文明の中の医療と人間

1、糖尿病の秘密

①日本人の3倍以上食べるナウル島民は4割がⅡ型糖尿病。

マーシャル諸島とソロモン諸島の間。人口1万人 。渡り鳥の営巣地。鳥の糞がリン鉱石として体積。火薬と肥料になるため、島は豊かになった。

一人当たりのGDP1万ドル。コーラの工場があり、島民は朝からコーラをがぶ飲み。摂取カロリーは高い。自動車やオートバイに乗って歩かない。

(21世紀にリン鉱石は枯渇。一人当たりのGDP 5000ドル~wikidpedia)

朝から木陰にたむるし、ゲームをするか食べている。5000~7000Kcal/日 (日本人の3倍)

②血糖値を上げる必要に迫られた人類の歴史

モンゴロイドはⅡ型糖尿行になりやすい。飢餓に晒されてきた。食べなくても血糖値が高いので飢餓に強い。節約遺伝子の働きによる。

血糖値を下げるホルモンはインシュリンしかないが、上げるホルモンはグルカゴン、アドレナリンなど数種類ある。~人類は血糖値を上げる必要に絶えず晒されたが

下げる必要はなかった。(飢餓の問題)

ナウル人がリン鉱石の枯渇で、かっての出稼ぎに戻ったら、糖尿病は減る。

景気の変動指数と血糖値に相関関係がある。

③飲みすぎ、食べすぎ、太りすぎ、ストレスが引き金に。

糖尿病になりやすい遺伝子が発現する誘引となりえる。

糖尿病~空腹時(12時間以上絶食)の血糖値が126mg/dl 以上  または 空腹時に75gのブドウ糖を飲み、2時間後の血糖値が200mg/dl以上

正常~ 空腹時(12時間以上絶食)の血糖値が120mg/dl 未満 または  空腹時に75gnのブドウ糖を飲み、2時間後の血糖値が140mg/dl未満

この間のものは境界領域型。

細い血管が破壊され、網膜症や腎症になる。 人工透析患者の半数以上が糖尿病からの合併症。

④血糖コントロールと合併症の防止

細い血管だけでなく、その他の血管も損傷を受け、心筋梗塞などの多くの生活習慣病の原因となる。

糖尿病は今の医学では治らない。

血糖値のコントロールは食生活である。極めて個人的な病気~一人ひとりがタイプの異なる糖尿病である。

⑤予防の原則は「美味しいものを少量」

摂取したカロリーを運動で消費するのは不可能。

糖尿食はカロリーを減らしたまずい食事ではない。特にダメな食事はない。美味しいものを少々、が原則。

⑥心臓疾患を引き起こす糖尿病

岡山県 榊原病院 心臓外科専門医院。昭和7年開院。戦前のカルテは消失したが、戦後のカルテは全て補完。手術例1万件以上。60%以上が糖尿病

糖尿病の医療費は2兆円。総医療費31兆円の15分の一。内8000億円が人工透析。心臓血管系の病気の半分以上が糖尿病を起因とするならば、

糖尿病費用は6兆円にもなる。

境界線上の人は間違いなく糖尿病になる。これを市町村の努力で防ぐべきである。何より個人の努力が必要。

⑦人間が失った「節約遺伝子」

人類が狩猟時代から農耕時代に入って、糖尿病が発生した。(微量ミネラルの不足は、一つの原因で、超ミネラル水だけで直るとは限らない。)

第二次大戦中はⅡ型の糖尿病はなかった。~食料がなかったため。

2、ストレス社会が生み出す病

①精神医学は説明してもわからない、と言う考え方。

精神科の医療従事者は、精神病について人々の理解を得る努力をしていない。

ドイツ医は社会的地位が高く、他を排除する傾向がある。

これからは「首から上の医学」

②発達した前頭葉が引き起こすストレス。

ストレスとは 東大医学部 脳研究施設所長 時実利彦

新しい皮質 古い皮質 脳幹(これが死なない限り人は死なない~植物人間)

前頭葉~創造の座 人間だけが未来を考えられる~10歳以上の人間だけ自殺できる。

ストレスとは新しい脂質が古い脂質、つまり生きていく力を圧迫する状態を言う。前頭葉の発達した人は其れが激しい。

ストレスを受けるとホメオスタシスがバランスを失う。~不眠、高血圧、糖尿、癌、胃潰瘍、12指腸潰瘍

③ストレスが持病を悪化させる。

「強烈なストレッサーが罹ると、その人の弱い部分がやられる。」~胃潰瘍の人は12指腸潰瘍にならない。逆も同じ。

ストレスと病気との医学的関係

1、ある種の病気にかかりやすい素因、素質をもっている人の、その病気を誘発する因子になる。
2、潜行している病気を顕在化させる因子になる。
3、すでにかかっている病気を悪化させる。
4、身体的病気の発症要因になる。
5、精神的な障害(不眠症からノイローゼ、うっ病など)を引き赳こす要因になる。
ストレスはこのように心身に関与しているといえそうである。
 

④ストレスの感じ方に大きな個人差

⑤期待が大きいほどストレスが大きい。

⑥アルコール 遊ぶ 生きがいでストレス解消

Ⅲ人体リズムの不思議

①海外旅行につきものの時差ぼけ

②人間に固有のサーカディアン・リズム

ジェット機の登場で始まる。1960年代。「東西航空を飛んでいるパイロットは年取るのが早い。」

当初はジェット機疲労と考えた。~頭痛、視力低下 発汗 息苦しい 胃腸不良 食欲不振

人個有のリズム~サーカディアン・リズム(日周期)  24時間より少し長い  ホメオタシスと関係がある。

「夜中の12時に精神病棟に行くと起きている人が多い」~著者は実際に観察したようである。ジャーナリストとして何か特別な配慮のものとに

                                  可能となった経験なのでは?もしそうなら、許しがたい特権である。(松下)

③血糖値にも一日のサイクルがある。

AM5時頃、血糖値、血圧が上がり始め、8時半から9時ころ最高になる。~仕事への準備

④リズムが順応できるのは1日約1時間以内

時差ボケの原因~ホルモンなどの体内の分泌物がサーカディアン・リズムになっているから、体がそれに適合できない。(許容範囲はは1時間以内)

睡眠は2時間周期~レム睡眠(脳が起きているが体は眠っている)とノンレム睡眠(脳が眠り、体が起きている)

⑤夜行性には出来ないのが人間の体。

人は光と音を遮断すると、夜、昼 睡眠できる。

48時間後に24時間周期の生活が出来る。

⑥呼吸、体温、味覚も時刻で変わる。

体温は昼の方が0.5度高い。昼と夜では体の左右の温度差が逆になる。

呼吸は3時間抗体で左右の鼻の穴が交代で活動する。2時間45分ごろ休んでいる鼻の穴が充血する。

味覚が敏感なのは午前三時ころ。鈍感なのは5~7時ころ(グリコーゲンが減少している~合理的である)

⑦投与時刻によって違う薬の効果

人の体は自然との関係が強いので人為的に手を加えない方がいい。

Ⅳ、伝染病と人類の戦い。

①天然痘撲滅宣言から25年

②戦争によってマラリアが地球規模に拡大

キニーネに耐性のあるものがある。2足歩行する以前の樹上生活していたときからマラリアに悩まされていた。

WHOのマラリア根絶は手詰まり状態

人類の発祥地、アフリカ中央部 がマラリアの発祥地

北欧のフィンランドで流行したこともある。

軍隊が攻め込むと、その兵士は感染し、他へばら撒く。 ハマダラ蚊は腐食水に繁殖。戦争は腐食水を発生させる。

ローマ帝国の滅亡要因~天然痘、線ペスト、マラリア

ペストはその蔓延が過ぎると、すぐに新しい生命が発生し繁栄する。マラリアは単に生命を絶やすだけでなく、新しい生命の発生も阻止する。

中世においてマラリアは「ローマ病」と言われた。

ルネサンス直前に死んだダンテもマラリア。

③新大陸から持たされた特効薬キナ

アカネ科の常緑樹。コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビアにまたがるアンデスやン脈の東側山麓  20Mに成長 花は淡紅色 円錐花序  樹皮は赤い。

第2次大戦前はジャワで世界のの90%以上を生産

16世紀から2世紀間、イタリアから全欧州に広まる。

キナは特効性があるので、治療期間が短縮されるので、反対した医師もいた。キナを医薬品として認めない風潮が医学会にあった。

当時の医学はガレノスの体液説、排泄説が主流。「発熱は腐敗した体液によって起きるので、その体液を排泄しない限り解熱作用が現れるはずがない。」

キナは体液も排泄もなく解熱させるので、医学は認めるわけには、ゆかなかった。

④ハナダラ蚊の絶滅は不可能。

第2次大戦は温帯地域の兵士が、熱帯地域で戦った為、マラリア対策が必要~合成のマラリア剤が生産された。しかし、副作用が強いので、キナがみなおされた。

⑤鎌型赤血球症の人はマラリアにならない。

悪性貧血で死ぬ人が多い。 マラリア地帯で、正常なヘモグロビンを持った人、ヘモグロビンS(鎌型赤血球)持った人、両者を持った人のうち、<両者のひと>だけが生き残った。(ザイール)

⑥科学が人類に危害を与える時。

●日本の医療行政

Ⅴ、健康についての関心と誤解。

①結核検診を下敷きにした日本の健康政策

②結核死亡率の急減の理由は栄養改善。

ペニシリン、ストマイに耐性のある結核が発生。 結核と栄養との関係は大いに研究すべし~現在の癌と栄養との関係 も同じではないか(松下)

人が健康に関心を持つのは、所得が高いため。(貧しい国では健康に関心がない)

③がん検診イコール健康政策の誤解

国は明確に全国レベルで検診を始めたのは、S57年の「老人保健法」成立移行。

がん検診は結核検診を下敷きにした。

結核の集団検診実施者は、その実施が結核を撲滅したと信じてた。(実際は栄養の向上。)

1998年公衆衛生審議会は子宮体がん、肺がん、乳がんは実施の効果がない、と指摘。(胃がん、子宮がんは検診技術が高いので効果あり、としている。)

がん検診イコール健康政策、と言う誤った概念を国民に与えた。~検診は健康政策の一部である。

④厳しすぎる健康の定義

WHOの定義~健康とは病気でないという状態だけではない。何事に対しても前向きの姿勢で取り組めるような精神、肉体、及び社会的適応状態

この定義は厳しすぎる~がん患者でも、快適な一日は必ずある。

④健康管理はむしろ健康に有害

長野県は一人当たりの老人医療費が全国で最も低い(15万円安い。~平成15年度) 平均寿命は男性日本一、女性3位(平成12年)

各県の老人医療費が長野県なみになれば、2兆数千億円の節約になる。

しかし、百歳老人は多くはない。(22位。)~生きているときは健康で、早く死ぬ。~PPK(ピン、ピン、コロリ)

長野県の80~85歳の元気老人~貝原益軒指摘の生活をしている。~「現在元気な老人は、こういう生活をしてきた」、とはいえても、
                                           「こういう生活をすれば、元気で長生きできる」 と言えない。

「フィンランド症候群」~40~45歳の管理者~一群~定期健診、栄養学的チェック、運動、タバコ、アルコール、砂糖、塩分抑制 に従うこと。

                          ~二群~定期的に健康調査票に記入するが、何もしない。

               15年後の結論~二群のほうが、心臓血管病、高血圧、ガン、各種の死亡、自殺の何れの数も、良かった。

                一群は管理されて、①ストレスになる。が原因。 
                            ②人は自由に生活することによって、生体としての抵抗力を持つ。管理されると、その範囲でしか免疫力をもてなくなる。

             ~健康管理は精神面が重要である。~健康管理は幅広い発想が必要~がん検診一辺倒では時代遅れ。

Ⅵ 少子化をどう考えるか。

①日本人は500年後にゼロになる。

経済成長率 2000年まで、1.75%  2000年以降1.5%  合計特殊出生率 それぞれ、1.38、1.61  で計算する。

実際は現時点(2006年)まではこの数値以下で進行している。

②深刻なのは高齢化よりも少子化。

③出生率が失業率によって決まるスウェーデン

1960年半ばまで~2.0を超える。 以後低下78年1.60  83年1.61  各種対策により上昇。1989年~93年 2.0以上 1990年2.14(ピーク)

1994年2.0をきる。1996年1.61

各種政策が原因ではなく、失業率が原因~低学歴者~低い  高学歴者~高い

2005年5.5%の失業率、4%にすると、2.0に近づく。(政府見通し)

日本では高学歴ほど低い。

④働くことに喜びを見出す女性たち。

⑤国策で「生めやふやせよ」は逆効果~人口調整は政府が音頭を摂るべきでない。

国が行うべきこと~保育所の増設、児童手当の増額、育児休暇の延長、企業内での男女同権、セクハラの解消 
            女性の働きやすい社会、子供を生んでも働ける社会を実現して、じっと待つこと。

⑥環境ホルモンと精子減少の関係は?

1992年デンマークで精子が激減している、と報告される。~過去50年間に精子は半減した。(20カ国、1万5000人の調査)

Ⅶ 出生をコントロールする、という事。

①男が子供を生む時代に。

人は環境に適応しようとして現在の姿になった。この「生物的生存秩序」に変化を迫る研究は慎重であるべきだ。(iES細胞の不安  松下)

人の原型は女性~妊娠初期、原型である女性がHY抗原に触れると、男性になる。従って、男性が妊娠して、出産するのには無理がある。

②男106対女100の出生数は自然の秩序~どの民族でも同じ比率

小さいときは、男性の死亡率が高い。 (交通事故、小児ガン全て高い~結婚適齢期で同数になる。) 85歳以降~男1、女2、100歳で1:4になる。

性の産み分けの危険性

③医師の言い分は「緊急避難」

ヒューマニズムは時として得てかってである。~ウイルス、細菌の世界では、個が生きるかはどうでもよく、種として生き延びるかが問題となる。

産婦人科医は個である患者の要望を聞き入れることを使命としている。

④社会的議論のないまま、広がったAID(夫婦以外の精子を子宮に入れること)

昭和23年慶応大学医学部産婦人科安藤画一教授が行ったのが最初。以後1万人が誕生。

最初は複数の人の精子を混ぜていたので、夫を特定できなかった。30年以降は特定の男性の精子を使用。しかし、本には勿論外部には特定情報は出さない

~兄妹婚の発生する可能性がある。

当時から、社会的議論がなく、今日に至る。

⑤対外受精は人種に幸福をもたらすか

1998年 長野県の根津医師が、非配偶者間の体外受精をして、産婦人学会を除名される。

⑥妊娠中絶からプレグランディンへ

200万件の中絶/年 女体を傷つけるので、現在は低下。ピルが多い。

プレグランディン~人口流産剤

⑦生と死に手を加えすぎる日本

1994年 フランス 「生命倫理法」可決~先端医療に歯止め。(人体は自然の一部であり、人はむやみにそれに手をつけるべきでない。 という思想。)

 「人体の提供と利用、出生前診断法」 「人体尊重法」 「記名データ取り扱い法」からなる。

自分のことばかり考えていては、どこかでしっぺ返しを食う。

Ⅷ、 心臓移植の本質を考える。

①本質的な議論なしに技術論に終始

1997年 「臓器移植法」

脳死臨調~十分な議論がされていない。外科医は「議論ばかりしてのしょうがない」というが、日本では、なし崩し的に物事が決められてきた。

②「和田移植」が残した医師不信の後遺症

ドナーは本当に死んでいたか。レシピエントは移植以外の方法はなかったか?

③首から下が生きている脳死は死といえるか。

以前は、脳死はなかった。~心臓停止、呼吸停止、動向反射消失~三徴候死

脳死は死亡の100に一つ。

④植物人間とは違う脳死患者

人の生命の座は脳幹。この脳幹が死んだ状態。~脳死(植物人間では生きている。)

新皮質、故資質、脳幹の順で死ぬ。前2者が死んだ状態~植物人間。脳幹は脳波では測れない。

⑤なかなか集まらない臓器

心臓、肝臓以外の腎臓、角膜は脳死以外でも生着する。

心臓は新鮮な臓器が必要~40歳以下の交通事故死以外にない。

⑥本流はあくまで人口心臓。~現在(2009年)では、ES細胞が注目されている。

心臓移植がうまく行かない理由の一つ~移植外科医への反感(われわれは、移植して人を助けるのだ。とやかく言うな。という姿勢。)

⑦移植待つ患者は年に数百人。

イギリス~医療の枠を国が決める。白内障の手術は3年待つ。~医療費は先進国中最低。

⑧必要なのは医師への信頼

● 医療の現場で起こっていること

Ⅸ、院内感染はなぜ起こるか。

①抗生物質乱用で菌に耐性。

抗生物質は菌が耐性を持つだけでなく、体内の他の細菌も死ぬ。体内が無菌状態になり、抵抗力が弱まる。

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌~MRSA~1961年

②薬剤に頼りすぎる医療機関

MRSAのような毒性の弱い菌に抗生物質を乱用した。

③病院から消毒の習慣が消えた。

感染症は抗生物質で解決する。従って、医師は消毒を軽視するようになった。

依然として、MRSAに有効な薬の開発をしている。

④殺菌法が外科手術の進歩に貢献

消毒の父~ゼンメルワイル~「産褥熱の原因ー概念と予防」 47歳で死亡

1860年リスター 傷口の化膿を防いだ

ドイツのベルグマン~殺菌手術

⑤「一仕事 一手洗い」を励行する岩手医大

⑥老人医療に欠かせない院内感染防止

Ⅹ、医師づくりの根本的解決策

①「一県一医大」のスタート

②医師一人を育てるのに6000万円

③卒後教育必須化案文部省と大学が反対

厚生省案~卒後に年の研修を義務化。内科、小児科、救急医療、公衆衛生を研修させて、総合的見識をもたせる。生活を保障する。

文部省~インターン闘争の二の舞。研修病院は新たなマンパワーが必要。生活保障と併せて1000億円の財源が必要。

④卒後2年間のローテート制度

国民は献身的、ヒューマニズムに富、的確に対応してくれることを望んでいる。

二年の家庭医として研鑽し、その後専門を積むことが理想。

⑤医師国家試験に工夫を

15%くらい医師不適格者がいる。

アメリカ~教官が一人の受験生に48時間一緒に生活して、適正を調べる。

医師は秀才である必要はない。(秀才も必要だ。~多様性が大事。松下。)

戦前は、理数の出来る人は、理学部、工学部にいった。残ったものが「医者にでもなったら。」といわれ医師になった。

高等学校の文科からでも入れた。これらの人は、人間的に豊かな医者になった。

ⅩⅠ、「名医」はどこにいるか?

①人間には個体差がある。

②名医にも誤謬は避けられない。

③臨床検査・チーム医療で名医が消えた。

臨床医は経験の積み重ねである。外科医は何人殺したかが、名医の分かれ目。

臨床の教授は、研究、教育が分離されていない。アメリカでは分離されている。

名医といわれる人は、マスコミが、優れた研究をした人、と認めた人。~臨床技術が優れているとは限らない。

専門より家庭医が低く見られている。名医とは家庭医から出る。

④医師に求められる人間性の豊かさ

高校教師は何人医学部に入れたかがステイタスになっている。

⑤かって医師は「名誉ある自由人」だった。

健康保険制度は名誉ある自由人と対立する。

武見と厚生省の対立は、ここに原因がある。

⑥人間の能力を引き出すのが名医

医は仁術から算術になり、国民は医師に対する尊敬を失った。

ブラセボ、自然治癒力といった人間が持つ不思議な力を引き出す医師~名医

ⅩⅡ 薬をめぐる、あまりに多くの問題点。

①副作用のない薬は利かない。

製薬会社が抱える技術の問題ではなく、制約行政の問題である。

②安易に薬を飲む日本人。

医薬分業(欧米ではその言葉さえない。)

医師は、病気と薬の関係について説明するが、薬剤師は薬について説明する。医師は全く説明しない場合も多い。

日本の医師が依然、父権主義の人が多い。

複数の薬を服用することによる、副作用を知らない医師がいる。~薬剤師が指摘する。

③大量投与が招く薬害事件

日本に多い。~健康保険が薬の投与量を増進させている。薬価差額。医師会は、この薬価差額を潜在技術料を言い張ってきた。

(以前は1兆3000億円。現在は数千億円。)

薬価基準が下げられたので、製薬会社は新薬を投入して、価格維持を図った。その新薬の中で、外国で認められたものは3分の1以下である。

医療費31兆円のうち薬剤費は7兆円(23%)~多い。

スモン病~医師がキノホルムを規定の数百投与した。~医師を被告から除くのはおかしい。(除いた理由は、医師を敵にするとカルテを入手できなくなるから。)

④副作用の強い薬が問題。

ソリブジン事件~ロリブジンは、抗がん剤であるフルオロウラシル系薬剤を服用した場合に15人もの死者が出た。~臨床テストでも副作用が確認されていた。

帯状疱疹に効果あり。

効果が高いが、副作用も多い薬が許可される傾向にある。

ⅩⅢ「ブラセボ減少」のなぞ

①戦後、次々と特効薬が登場。

②うどん粉を飲んでも効果は出る。

現在に科学で説明がつかないものを無視するな。

③「カゼに抗生物質」も一種のブラセボ~医師は「気のせい」と片付けないでほしい

快い状態は患者にとって病状の改善になる。~医学はブラセボを研究してほしい。(著者はワイルを知らないようだが、ワイルの主張と同じである。松下)

④医師の前で血圧が上がる「白衣症候群」

高血圧症~最高血圧160ミリ以上、最低血圧90ミリ以上。(20歳から25歳では95%以上がこれ以外であるが、老人では大半がこれに属する。)

終章 医療はどこへ向かうのか。

①21世紀は「灰色の世紀」

②遺伝子解明で死期さえもわかる。

2015~20年ころ~生まれた赤ちゃんの血液で、彼がいつころどのような病気で死ぬかわかるようになる。~あらかじめ対応策が判って、果たして良いだろうか。

いつ死ぬかが判らなくて、初めて人は日々努力する。

③「頭の良くなる」遺伝子組み換えビジネス。

分子遺伝病~既に何千種類も判明している。胎児段階でわかった場合、生むかの判断は両親が決める。

「学者は魂を悪魔に売り渡しても研究したい人だ」~頭の良くなる遺伝子組み換えを研究する学者が出てくる。

努力、学習を否定することになる。

④外科医全盛時代は終わった。

⑤「病気になるまい」運動を。

これもワイルの考えと同じである。松下。

長野県のデータを詳しく分析して、対策を立てよ。

⑥「個の医学」の時代がやってくる。

人間の性格には個性があるように、心身にも個性がある。

糖尿病~経口薬「ラスチノン」は低血糖を起こす。~植物人間の可能性。0.5~1.5CC/日。しかし、個人差がある。

カルテもコンピューター化される。

カゼかかりやすい、成人病の遺伝子を持っている、骨折しやすい、など個々人が医学的個性を知るだけでも健康管理に役立つ。

また、このデータを整理するだけでも、医学の進歩になる。

あとがき

<コメント>

著者は1960年ころに、貴社を辞めて自由人になろうと決意し、次の3点を掲げた、といいます。

①日本の社会保障を確立することに貢献する。

②日本の医療構造の底流をつかむ

③医学をじっくり考え、医学的文明論を構築したい。(後で、人間論に修正)

著者が30歳前後、しっかりした考えの下に歩み始めたものです。

ジャーナリストらしく、現在の医療、医学を批判的視点で見ています。その背景は、自然の一部である人体にに対して、人の思考が侵食してゆくことに対する

不安、ではないだろうか。私もそのように感じますが、ふと、利便性功利性を追求しても、人はその変化にうまくついてゆくのではないか、と思うときがあります。

しかしそのようなことはありえない、必ずどこかで破綻する、と根拠は示せないけれども、そのように考えています。

著者の最後の考え方が、ワイルのものと似ています。ワイルが紹介された80年~90年代は著者も60歳代ですから、まだまだ思考力は衰えていなかったはずです。

ワイルに学ぶことが出来たはずです。その意味で、著者は現代医学から飛躍できなかったといえます。

超ミネラル水の効き目を知って、素直にその事実を受け入れることが出来たならば、本当の批判的ジャーナリストと言えるでしょう。

それには、現在、著者は高齢すぎるように思います。残念です。

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