超ミネラル水ショップ 読書ノート 大村昭人著 医療立国論 |
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大村昭人著 医療立国論 2007年5月 209P Ⅰ、「医療費亡国論」から「医療立国論」へ 1全ての誤りは1983年の「医療費亡国論」から始まった。 厚生省保健局長 吉村仁 論文 ①医療亡国論 このまま租税・社会保障負担が増大すれば日本社会の活力が失われる。→医療費のGDP比は8%であり、OECD中では低いほう。 また、医療費の高騰は活力を生む。 ②医療費効率逓減論 治療中心の医療より、予防・健康管理・生活指導に重点をおく必要がある。→予防医療は平均寿命を押し上げ、医療費は高騰する ③医療費需給過剰論 医療の供給は1県1大学政策ももあって、近い将来医師過剰が憂えられ、病床数も世界一、高額医療機器導入も世界一高い。→医師不足 2、政府、マスコミが煽る2007年段階の世代退職の恐怖 生理学的年齢は若返っている。医療制度の充実でこの世代の健康維持を図るべき。高齢化少子化は恐れる必要ない。 この論文ははこのような社会の変化に対応できていない。 3、目先の医療制度の改革が行われている。 4、医療制度改革は先進国共通の課題 高齢者の医療費、薬剤費が高くなっている。 5、医療を一般の経済原則で考える愚かさ:経済財政諮問会議と規制改革・民間解放推進会議 病院の人件費が50%を超えるのは非常識~本間発言(経済財政諮問会議委員)→医療を一般の経済原則で考えるのは間違い。 医師、看護婦は欧米の3分の1が5分の1 アメリカの病院の人件費は71%。 6、このままでは、国民皆保険制度の崩壊は免れない。 Ⅱ先進国の過ち~アメリカ、イギリス、カナダの医療制度改革 1、医療制度改革を掲げないと大統領選に勝てない 2、アメリカの管理医療制度と国民の悲劇。 米医療費~200兆円(日本の6倍)(2003年) 公的保険~国民の3割をカヴァー 民間保険~国民の6割が加入 2006年調査~4700万人が無保険~注所得者層が大半(メディーケイトに加入できない層) 企業は医療保険加入の義務はない。零細企業では200万円と高額なので、未加入企業がほとんど。 メディーケアー(高齢者向け)は財政危機にある。~毎年のように保険料の引き上げがある。 ディーケイト(低所得者)~南部で財政危機がある。 3、米民間医療保険の実態 1983年市場原理に世路医療保険を立ち上げた(レーガン) 企業を通じて企業負担の保険 ~1億6000万人加入~現在は1億4000万人位~大企業が多い。 保険会社の役員は高額所得者~医師よりはるかに高額 4、米民間医療保険と患者の実情 民間医療保険会社と契約していない病院に患者は行けない。 財政危機の公的保険が民間に患者を回すが、民間保険会社は病人を引き受けない。 企業は安い民間保険会社を選ぶから、受ける医療サービスは低下する。(GMで1台につき1500ドルが医療保険:材料費の鉄は8000ドル) 日本の車メーカーは皆保険で国が医療費を負担しているので、競争にならない。(GMの主張) 5、医療保険制度は市場経済に大きな影響を与えている 米企業の保険料負担率は、日本より法人税が安いことを考慮しても、大きい。 6、米の民間医療保険と病院の実態 米の病院は非営利組織(NPO)であるが、民間保険会社が経営している病院が14%あり、これが医療従事者を締め付けている。 医療方法に直接口を挟む。 医療保険料の高騰により、未加入者が16%(4700万人)いる。 未加入者が病院にかかる医療費は加入者の5~6倍。保険会社は病院と有利な契約を結び、そのしわ寄せが未加入者の負担になる。(医療費負担の逆進性) 7、HMO(ヘルス・メディスン・オルガニザイション~医療保険会社)の力をけん制する動き。 米では医師国家試験がない。 医師会等の多くの医療機関参加した試験作成組織が作成した試験を受験させ、各州の合格基準に従って州が医師免許証を発行する。 従って、他州で医師であるためには、再度その州の免許を取らなければならない。 米医師会はHMOに対抗するために組合を結成した(150年の歴史で初めて) 8、モラン村対ラッシュープルデンシャル医療保険会社訴訟に対する連邦最高裁の判決 プルデンシャル社の支払い拒否に対し、モランさんは州に提訴~勝訴するが会社は連邦裁判所に提訴。連邦裁判所はこれを却下。 9、米国民の医療制度に対する不満は募るばかり 02年の総医療費は170兆円(日本は31兆円) 医療制度に対するWHO の総合評価は37位、 国民の健康状態は24位 03年~現在の制度を望む人は32%、皆保険制度を望む人は62% 総医療費~200兆円 10、連邦政府の無策に失望して、独自の皆保険制度を提案した知事たち。 肥満女性の割合は33%(全米)~フランス、ドイツの3倍 2009年メイン州で皆保険制度実施開始。 2007年 カリフォルニアの指示が買い保険制度を提案 日本に皆保険制度の廃止をもくろむ勢力があるが、警戒すべし。 11、それでも米の医療の質は高い。 一定以上のレベルの医療が受けられる、と言う安心感は日本以上である。~その理由は医療内容が公開される外部評価制度があるからである。 (医療機関認定合同委員会) 外部評価を受けるかは医療機関の任意だが、HMOとの契約に必要なので、実質的には強制である。 この評価が低いとHMOが患者を送ってよこさないの、医師たちは良い医療を目指すよう努力する。 日本にも病院機能評価制度があるが、診療成績までは調べない~医療機関によって質に格差がある。 12、イギリスの医療制度とサッチャーの誤り。 入院、手術待ち1年以上は当たり前。~イギリスの市場原理による医療制度改革は失敗した。 88%が税でまかなわれている。GDP比は8%で日本と同じだが、超えると予想される~ブレアが増額を計画している。 医師、看護師の給料が抑えられたため、海外流失がふえて、人員不足になった。 インフルエンザの流行時に、意思に罹れず、多くの人が死んだ。 13、ブレアが行った大胆な医療改革~効果を挙げるのはだいぶ先。 2000年に医療費を50%増額を発表。 医学部定員も50%増やす。現状でも日本より多いのだが、他の国より少ない。 (日本の厚生省は日本の医師が少ないことを認めようとしない~2008年時で増員を発表したので、認めたことになる) 14、医師不足、看護し不足が起こったカナダ(3300万人の人口)の例 カナダは皆保険制度。GDP比9.7% 評価制度もあり、国民の評判も良い。 90年代に医療費を削減した。連邦政府の50%負担を州負担70%にした。~医療の荒廃を招く。 2003年改革に動くが、時間がかかりそう。 Ⅲ先進3カ国の医療制度改革の失敗から学ぶべきことは何か 1、医療費の削減で、医療改革が成功すると言う幻想。 「規制改革、民間解放推進会議」~「公的保険を縮小して、民間保険で肩代わり」~失敗する。「選択肢を増やす」と言う同会議の言い分は 試されていない多くの選択肢の中には、不合理な選択肢も多くあり、医療費の削減には繋がらない。 市場原理の導入は、実際はミリオンダラーの収入をもくろむ保険会社と企業の公的保険料負担軽減の意図が透けて見える。 2、日本の医療費は先進国の中では安い。 1回あたりの医療費~日本7000円、アメリカ6万2000円 スウェーデン8万9000円~先進国中21位 現物支給である。 乳幼児死亡率は世界最低 世界一の長寿国 WHOの医療制度に対する評価は10位 健康達成との評価は第一位 GDPに占める医療費が低く、健康度は世界一である。 3、民間保険制度と公的保険制度の共存は可能か。 日本の民間医療保険は、医療費の直接的保険ではなく、生活補償費である。 これを、公的医療保険の民間医療保険を併用して認めると、アメリカのように、民間医療保険は健康な人を集め、病人は公的保険 に押し付けることになるのは必定である。おいしいところだけを民間が取ってしまう。 4、なんでもアメリカのやり方がよいとする、困った人たち。 1980年代にレーガンの市場導入で、医療費が日本の6倍であるにも拘わらず、4700万の未加入医療保険者がいて、医療制度は崩壊した。 レーガノミックスの実態 2001年から2004年にトップ10の資産は6%(3億6000万円)増加 下位25%の資産は17万円減少した。 5、アメリカの真似をする前にやるべきことがある。 日本の格差社会~貧困層(平均所得の2分の1以下の人)の割合が先進国では3位 国民の4分の1が貯蓄ゼロ 2005年の生活保護者の数~140万人(1992年の倍) 生活保護費が最低賃金より多い。 非正規社員が増加~2005年で27%~彼らが高齢担ったとき、彼らに社会保障費を支払う能力が社会にあるだろうか。 ~低所得者層の増加は消費の低迷につながり、経済を活性化できなくなる。 ~消費高齢化が恒常化する。 Ⅳ日本の医療環境と医療事故を考える~病院勤務医や看護師は疲労困憊している。 1、世界的に見て極めて少ない日本の病院医療従事者。(医療施設、病床、医師数、医療従事者の実態)
医師数~欧米の3分の2と少ない~厚生省は全く医療に従事していない医師までカウントしている。 同省が医師数の水増しの拘る理由~「医療費亡国論」に基づいた医療費抑制策が破綻するからである。 人口100人あたりの病院数、病床数は欧米の数倍と多い。 2、医療過誤の背景にある深刻な日本の医療提供制度の問題。病院勤務医師や看護師は疲労困憊。 病院閉鎖が増える。 医療費抑制製作を進める国の誤り。 3、大学付属病院も揺るがす深刻な急性期医療のマンパワー不足 厚生省~2008年から75歳以上の人に「罹り付け医制度」を導入 欧米の「罹り付け医制度」は、「家庭医」が専門医として養成されてきた、と言う背景の下に成立している 日本ではその背景がないので、根付かない。 アメリカの家庭医~3年間のトレーニング後専門認定試験を課している。 イギリスでは家庭医としての10年間の専門教育を受ける。 日本では狭い医療経験で、誰でも家庭医になれる。 著者の提案~医学部卒業者の一定数を3年間家庭医として教育すべし。 厚生省の案は、高齢者を大病院から単に締め出すことを狙ったもの~医療費削減だけのものでしかない 4、医師不足は偏在だけではない~絶対数が足りない日本。 日本の医師不足数~13~14万人 5、アメリカの医師養成制度を表面だけ真似た卒後研修必須化~医師不足を後押ししただけでなく、医学部教育を破壊する。 ①なぜ、親臨床研修制度が問題なのか。 アメリカのマッチング制度を表面的に真似ただけ~教育スタッフの研修がなおざりである。 ②アメリカと日本の研修制度の違い。 ・卒業時点で専門科の進路は決まっている。3~5年後の研修後専門医試験を受け、専門医として開業できる。 ・大学病院と一般病院は協力関係にある。(日本では対立している) ・アメリカでもプライマリーケアーが重要視され、専門医の地位は落ちている。 ③日本の研修制度の問題点 ・初期診療を重視するあまり、諸外国では医学部の高学年で教えることを、卒業後に教えてる。 ・日本の大学の教育スタッフは極端に少ないので、負担が大きい。 ④現場医師の不足問題。 著者の提案 ・研修期間を1年に短縮し、大学病院と地域一般病院の連携の下に研修医をローテイトさせる。 ・学部のカリキュラムの強化(卒業前にやるべきことを増やし、研修期間は他のもっと重要なことをやる) 2年目以降は大学病院における専門科を選択させる。 ・欧米のように家庭医の専門家を養成し開業させる。(現在の総合診療科はこの要請を満たしていない) 6、原因追求より責任追及の風潮がある医療過誤問題~予防する最善策は? 2004年の医療訴訟は1004件。 医療ミスの判断が専門知識のない警察が行っている。~責任追及になっている。 医療者がわが情報の開示をしてこなかったことに対する、世間の不満が背景としてある。 1994年医師会が医師法第21条(不審死の所轄警察署への届出義務)の解釈に対するガイドラインを発表した。 ・拡大解釈で、診療中の予期しない死亡も届ける義務があるとした。 ・中立の専門家機関を設置すべし ・無過失救済制度を設けるべき ・日本病院会調査~①過剰な業務の為慢性的に疲労している ②患者が多く一人当たりの診療時間が少ない ③医療技術の高度化で、医師への負担が多い 開業医が増えて、勤務医が減っている(毎年3000~4000名が開業医になっている) 開業医が若年化している。 7、望まれる中立の医療過誤裁定制度、無過失救済制度 2000年調査~4万4000~9万8000人が医療事故で死亡。 米では全て民事、専門機関の裁定で迅速な結論、患者に有利な金額だ決まる~救済力点が置かれる。 「無過失救済制度」は第3者評価裁定制度と組み合わせないと、医療提供者のモラル低下を招く。 2007年医療版「事故調査委員会」を発足させた(厚生省) 8、スケープゴートにされる大学病院の講座医局制は「白い巨塔」は存在するか? 9、それでも医学部の改革は必要である 教育スタッフが欧米の3分の1から5分の1 論文至上主義の風潮が残る。 日本には臨床能力を評価する客観的基準が明確でない。教育への貢献が教授昇進に関係してない。~近年改善の努力が見られる。 大学と一般病院が共通のプログラムの中でお互いに協力するシステムを導入する。 10、メディカルスクール制の導入によりもっと喫緊の重要な問題がある。 メディカルスクール制~4年生の一般大学を卒業後医学部を受験する~MCAT(センター試験のような競争率が高い。スポーツ、クラブ活動、社会活動、 アメリカの医学生は優秀で社会的成熟度が高い。(日本より2年年長)~日本では医師に不適な人が見受けられる。 ~メディカルスクール制導入は検討すべきだが・・・・。 アメリカではマンツウマン教育が行われているが、日本では無理。 スタッフを増員し、教育、研究、臨床に振り分けるべき。 医学教育と医療行政を一体化させること。 Ⅴ、混合診療と特定療養費の問題に見る、医療の市場原理化論について。 1、なぜ、混合診療全面解禁の必要性が叫ばれるのか~特定療養費というハードル 保険と保険外診療を組み合わせる~患者への負担を少なくすることがもともとの考え 現在、医療側が混合診療を行うと、保険は支払われない 特定療養費~特別に定められた先進医療等に、予めシステムとして混合された医療費 混合保険承認の動き~民間保険会社の意図と医療費削減を狙う財務省の意図が一致しただけで、患者の利益を優先したとは思えない 皆保険制度崩壊の恐れもある。 ホワイトカラーイグゼンプションは欧州で機能しているが、日本で見送られた背景~労働者の権利意識が高いため(欧州では) 鉄道ストライキに一般人が怒らない(日本では反感が強い) 米では労働基準法違反に対する罰則は厳しく適用される。 日本で混合医療が認められると、患者が泣き寝入りすることが予想される。 3、特定療養費制度を廃止して、欧米で安全が確定されている医療は一括承認せよ。 承認後副作用を厳格に監視すること。 情報を十分開示して、国民の責任において治療を受ける。 国民の価値観の問題である。 4、市場原理主義は医療の効率化に結びつかない。公的保険と民間保険の二階建ては国民皆保険を破壊する。 1970~80年代の経済理論の進歩は「市場原理」を明確にしたと言われる。 医療は情報不対分野である。 混合診療を拡大すると、一般の人は支払った対価に対して、十分な医療サービスを受けられたかわからない。 市場原理が効率的に機能するのは、完全に公平な情報開示が不可欠である。 アメリカは民間保険が公的保険を食い物にし、医療従事者を従属させ、最後に患者を不利益に追い込んだ失敗例である。 5、保険者の権限強化策は慎重に。まず、医療提供者と患者の裁量権と選ぶ権利を保証することが重要 医療施設が多すぎるので、再編統合は避けられない。 Ⅵ日本の医療制度の現状を見てみよう 1、日本の医療制度には、良い点がたくさんある。 2、日本の医療費は安く費用対効果では世界一 医療従事者が少ない。診療報酬が低い~病院の倒産 3、医療制度の3台根拠、アクセス、コスト、レベルにおいて優等生の日本 4、日本の医療制度には問題点も少なくない~遅れている医療の質の標準化 診療成績の評価システムがない~疾患名、治療方法、合併症の明確な定義と標準かななされていない。 各施設の例証が少なく、評価しにくいことが背景 医療の質のレベルにばらつきがある。 米~医療機関認定合同委員会による評価~すべて公開される。 日本では評価が不十分で、情報が公開されないから、患者ははじめから有名医療機関に行ってしまう。 また、このような事情も多くいの国民に知らされていない。 保険組合の財政にバラツキがある 高額医療機器は保険点数がつくので、導入過多である。CT、MIRも極端に多い。~医療政策に問題あり。 5、医師法17条の呪縛~誤った法解釈による弊害 「医師以外は医業をしてはならない。」~医師以外の医療職種あるいは一般の人による医療行為を制限するもの」と解釈されている。 欧米では、医師の指導の下に医療現場では医師以外の職種に対して必要な種々の医療行為が許されている。 看護師が医師の指導の下で簡単な診察や処方さえ許されている。 医療と医業は別の概念であるが、日本では同じものと解釈されている。 大学では指導教官の指導の下でも、静脈注射などの医療行為はできなく、国家試験合格後直ちにできる、と言う厚生省の解釈は無理がある。 6、硬直した法解釈のために、”お産”の機会が奪われている。 助産師が行うべき内診を看護師にやらせた~横浜堀病院事件 日本産婦人科学会~医師の指導の下で看護師が内診を行っても同法に触れない。 7、医療難民2万人、介護難民4万人の悲劇 8、日本の病院運営にも問題がある 医療法人は30%の法人税が課せられ、営利法人に近い。理事長は医師でなくても良い。 米~明確に非営利法人である。地域住民の基金によって設立される場合が多い。 理事も地域の名士ががなる場合がおおく、住民に説明責任がある。 経営者は意思ではなく、専門教育を受けた専門経営者がなる。(日本のような個人病院はすくない。) 9、良質の医療を求めて国外脱出が始まっている。 アジアのスパー病院(JCAHOの評価済み)への医療パック Ⅶ、社会保障制度はこれでよいのか 1、日本の社会保障制度は国際的に見て最低レベル。 2、先進国の租税負担率、消費税の比較 3、北欧の国々は社会保障費が高くても、経済競争力は世界でもトップ 日本では医療機器に関する規制が多く、大企業はリスク回避の為参入しない。また、ベンチャーも育たない。 日本の医療機器の輸出対輸入比は20%以下になった。 4、法人税の負担軽減を求める日本企業の甘え、欧米企業が負担する法人税と社会保険料の合計は日本よりはるかに大きい。 日本の企業が欧米並みの社会的責任を果たすだけで、医療と年金は継続可能。 5、日本の税金の使い道は無駄で非効率、一般会計と特別会計 Ⅷ日本の医療制度の将来像は? 1、医療は成長産業:2025年には65.6兆円と予想される超成長産業 2、しかし、拡大する医療市場は医療の荒廃に繋がるリスクもある。 規制改革・民間開放推進会議の宮内(オリックス会長)をはじめとする財界利益代表 ・混合診療の導入 ・株式会社の病院経営参入 ・国民皆保険を維持しながら、民間保険が担う領域も設定する 一見もっともな意見だが・・・・。 公的保険への国と地方の支出は11兆程度で、アメリカの60兆円より低い。 皆保険の崩壊に繋がる。 3、医療市場への投資は、大きな経済波及効果を持つ。 EUでは医療が経済活性化の要であることが良く認識されている。 医療への投資が経済成長率の!6~27%を占めている。 高齢者であっても働く意欲のある人は、長く働いてもらいたい。そして、税金、保険料を払ってもらえば少子高齢化も怖くない。 4、医療分野は雇用創出の母体になりうる。 EUでは医療、福祉は国の負債ではなく経済発展の原動力である、と言う認識が強い。雇用拡大にもなる。 デンマークでは医療、福祉分野の雇用が20%を超えている。EU全体では9.3% 先端医療で日本発のものはない。 5、高齢化社会において、医療、介護、健康産業の受容は拡大する。 今の高齢者は若い。70歳でも80歳でも働ければ、<昔は5人で1人の高齢者を見てきたが、将来は1,5人でみることになる」と言う悲観論は成り立たない。 団塊の世代では85%が定年後も働きたい、と言っている。 道路を作れば経済的にプラス、医療、福祉はマイナス、と言う考えは間違い。 24年前に保険局長が「医療費亡国論」と言う論文を出した~これがそもそもの誤り。 国立社会保障・人口問題研究所の京極高宜(所長) 「社会保障費は必ずしも日本経済の足を引っ張ってはおらず、さまざまな経済効果から、むしろ国民経済にプラスである。」 6、女性医師の働く環境を改善する必要 幼稚園前の育児に対する日本の公的支出はGDPの0.6%、北欧やフランスでは日本の4~5倍、英独でも3~4倍。 幼稚園後でも3.7%でOECDで最低。 7.メタボリックシンドローム対策が、労働時間の損失を防ぎ経済に貢献する 人間ドッグ全国集計異常がなかった者の% 1984年 30.0% 2000年 145.8% 2004年 12.3% 医療経済学者の間では、予防医療は医療費削減についながらない、とされる。 予防接種などの疾患の発生を予防するすることは、医療費削減効果を得やすいが、 生活習慣病を早期に発見して、治療介入することで、それ自体に費用が発生し、更に寿命が延びることで医療費を押し上げてしまうため。 しかし、予防医療は国民の健康状態が改善して、例え医療費の削減にならないとしても、国民の労働意欲を高め、労働生産性を高め 経済の活性化に繋がる~<ここは大変曖昧だ。重要なのでもっと具体的に研究すべき点である~松下> 8、医療の現場で注目されている軽い「炎症」の怖さ:炎症は万病の元?炎症一元説~がん、心筋梗塞、脳梗塞からアルツハイマーまで。 癌と炎症との関係は140年前に示唆されている。(1863年ウイルヒョウが慢性炎症部に悪性新生物が多発することを観測している) ①「メタボリックシンドローム」は実は炎症である 糖尿病は全身の血管病である。 高血圧症も炎症の関与が示唆されている。 ②「COPD」(慢性閉塞性肺疾患)」と炎症について 40歳以上の日本人の10.9%が罹患している(軽微を含む) ③慢性炎症と酸化ストレスそして発癌へ 慢性肝炎~肝硬変~大腸癌 潰瘍性大腸炎、クローン病~大腸癌 9、このままでは先進国で、後れを取る日本 先端技術を製品化する過程が遅い。 10、病院へのITの導入は人の変わりにならない。 Ⅸ改正薬事法と医療にしり込みする大企業 1、時代に逆行する改正薬事法:医療機器と医薬品を一緒の法律で縛る弊害 医療の安全と質を確保するには、薬事法を厳しくするのではなく、医療提供制度を改善することが必要である。 2、改正薬事法は医療ベンチャーの芽を摘む 大企業は失敗してブランドに傷がつくこと、販売数量が少ないことで、参入はすくない。(医療機器) 日本の医療機器は絶滅の危機ににある。 3、先進国の中で極めて遅い認証制度~役人が少ない。 CTやMRIでさえ、最新型は認証されていない。 欧米では認証期間が短いが、市場での監視も厳しく、問題が発生したら、直ちに回収される。 人口1000人当たりの公務員数 日本 33.6人 アメリカ 78.4人 イギリス 78.8人 フランス 89.7人 ドイツ57.9人 医療機器メーカは小規模なので、政治的発言力がない。 4、医療機器耐用期間設定という非現実的な政策。 5、硬直した官僚機構によるブレーキが医療と経済の発展を妨げる。 行政の姿勢~審査人員が少ないので、法律を厳しくしておけば、事故が減る~責任を問われない 国民の側にも何か起こると<お上は何をしているのか>と言う批判が湧き上がるので、行政は法を厳しくする。 医療事故で国が訴えられるのは日本だけ。 Ⅹ、医療立国論~医療技術で世界をリードして国民を幸せに出来る。 1、国民皆保険制度は市場経済を支える。 医療は負債ではない。積極的に投資し、経済活性化に役立てよう。 2、質と安全のハードルを高くした結果、病院の再統合は避けられない。 専門医と専門課程を卒業後早い段階で決めること。 専門家庭医は専門医が行う基本的治療をこさせる、何時専門医にゆだねるべきか、判断するレーニンができている。 従って、専門家庭医に対する信頼が高いので、日本のように始めから大病院に集中することがない。 病院が多すぎる~例証が少ないため、医師の技量向上に役立たない。データが信頼できない。(少ないので) 医療従事者が分散されて、非効率である。 質の悪い病院は廃止し、良い病院を大きくすべし。 3、医療従事者の大幅増員は必須であり可能である。 4、保険者の再編統合だけで医療を支える資源は拡大する 5、特別会計の抜本的改革だけで医療は支えられる。 特別会計~225兆円(一般会計の3倍弱) 6、企業の社会的貢献を欧米並みにするだけで医療を支える多きな資源になる。 欧米の企業の社会福祉に対する貢献度は、比較的高いと言われる日本の法人税を考慮しても、はるかに日本より大きい。 非正規社員が3割の社会は異常である 個人消費低迷の原因となっている。 彼らが払う税、保険料が小さいので、財政の圧迫要因となっている。(法人税が軽減されたので、企業に非正規社員から移転された所得は、 非課税部分が大きくなった。~全体として、国の税、保険料収入が減った。) 7、消費税アップは政府の信頼度いかん。 8、改正薬事法はすぐ見直す必要がある。市場原理化はこうした医療ビジネスの環境整備を重視すべきである。 9、医療立国の力で国民を幸せに出来る <コメント> 私も医療費は負債であり、高齢者の医療費は国の重荷である、と知らず知らずの内に思ってきた。しかし、著者はこれを、経済活性化に転化できる と言う。もう少し、情報を収集して、このことを検証してみたい。
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