超ミネラル水ショップ   読書ノート   鈴木厚著 「日本の医療に未来はあるか」

                 
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日本の医療に未来はあるか   鈴木厚著  2003年 213P

はじめに

日本の医師はアメリカの8倍の患者をみている。

WHO 医療ランキング 日本1位 米 37位

過去30年間~国民年金/国民所得は8倍   医療費/国民所得は2倍  30兆円(公共事業85兆円 パチンコ産業 30兆円)

Ⅰ、日本の医療費

医療財源不足

①日本の財政事情

②日本の医療財政事情

国は銀行救済に80兆円を支出、医療費には10兆円を支出 イギリス、スウェーデンは全額国庫負担 米は全額会社負担

③国民医療費は誰がどのように負担するか?

85兆円~公共事業

平成14年~自己負担率2割→3割へ増額  老人医療費も増額

差額別途と同じように、患者から差額を取れる項目を増加させた。これは、益々自己負担が多くなることを意味する。

福祉や医療費は理念を持った政治家が行政をリードすべきだが、実際は官僚主導である。

財務省主導である。(厚生省に同情的だが、それは疑問である~松下)

政治家は財界よりである。(国民に顔を向けていない。)

医療費改正とは言っても、国庫負担を削減するだけである。

医療費は国が決めている。

医療報酬の削減は、医療の質を落とす。

⑨国民医療費高騰の嘘

厚生省の間違った予測値がマスコミによって喧伝され、医療費抑制の大合唱になった。~官僚の情報操作

日本医師会もこの間違った予測値をパンフレットに載せている。 医療費が高くなっても、雇用が増えて、経済効果がある、としている。

医療は日本の大きな産業になることは確かである。

最近は平成22年の医療費が68兆円になる、とマスコミを通じて喧伝されている。~この予想値は間違っている。

医療亡国論は間違っている。

平成12年の予測値は38兆円で、実際は30兆円であった。

⑩国民医療費の価値

家庭では、医療が最優先されるはずです。

⑪老人医療の誤解

老人が増えることは社会が健全である証である。

一人当たりの医療費は老人と非老人では変わらない。(入院費は安い)

厚生省は、老人医療が無駄であると宣伝している。

日本社会は老人を支えきれない、と言う不安を浸透させた。

昭和60年5.9人が一人の老人を支え、平成12年3.7人が老人を支えた計算になるが、この間生活水準が低下した実感はない。

これは、医療費を削減させるための政府の作為がある。

65歳以上の生産者が増加する。

女性の生産者が増加する。

子供の教育費が減少する。~一人当たりの年間老人医療費74万円~教育費:小学生89万円  中学生96万円  高校生109万円

教育費の増額は、必ずしも良い教育とは限らない。  敬老を教える方が教育的である。

H14年6月以上の入院を社会的入院とみなし、15%の自己負担としたが、社会的入院でない患者もいる。

老人ホームは病気の老人を入居させない~医療難民の発生。

⑫医療費の国際比較

国民皆保険の為、患者と医療機関の垣根が低い。患者一人当たりの医療費が世界一低い。

日本への見学者は、その患者の多さ、病院の老朽化に驚き、参考にならない、として帰ってしまう。

アメリカは尾金持ちには良い医療制度である。

イギリスは長い待機期間がある。

⑬安すぎる日本の医療費

争議費~日本~287万円 アメリカ~45万円  イギリス~12万円  ドイツ~20万円 韓国~37万円

東京の他の物価はニューヨークより数倍高いが、医療費だけ低い。

医師の技術料が安い。診察料は770円 散発量の2割程度。

入院費6000円/日 で素泊まりのホテルより安い。

MRI,CTが多いのは無駄、と言う評論家がいるが、患者に役立っている。

Ⅱ病院経営

日本の医療現場にはボランティアがいない

①医療従事者の過労

②不足するマンパワー

「医師過剰時代」は厚労省の情報操作

H11年~結核非常事態宣言~年間243人増えただけ。~がん、自殺者の数を考えたら、この宣言はただの人騒がせにしか過ぎない。~マスコミも便乗

アメリカと日本ではマンパワーに10倍の差がある。更にアメリカではボランティアーが加わる。

③医師、看護師の多忙

医療事故の原因

医療従事者~アメリカは人口の11%。日本は5%

徹夜明けの手術、外来は当たり前。

④公的病院の赤字

⑤私立病院の深刻さ

⑥診療所の経営

サテライト診療所を作る。

療養病床~長期療養患者

一般病床~急性患者~厚生省はこちらを半減させる方針。~地域の中央病院ほど苦しい経営となる。

Ⅲ日本の社会保障

国家予算の20%

国庫負担率は20年間で29.2%から19.0%に減少している。~年額10兆円

①福祉の流れに逆行。

国庫支出額/国内総生産はこの10年間で4.1%から3.4%に減少

アメリカは2.9%から4.8%に増加 イギリスは7.5%から12.4%に増加

②公共事業が優先される。

ケインズ理論は通用しない。

医療産業の方が公共事業より1.5倍の雇用を生む。

社会保障が経済の足を引っ張る、と考えるのは間違っている。

③年金と介護

年金  日本~17万円/月  アメリカ~6万9千円  スウェーデン~10万円

医療費と年金が別会計になっているので、病気になると貯金が増える。

欧米では、医療費は年金から支払われるので、貯金が増えることはない。

年金40兆円   医療費30兆円

介護保険のもう一つの目的~10万人の社会的入患者を病院から追い出すこと~実際には介護より費用がかかるので、自治体では追い出したがらない。

介護保険の財源~40歳~65歳までの保険料から33%、公費から50%が各市町村に支払われる。残りの17%が自治体の65歳以上の老人から徴収される。

一割が本人負担。認定された介護度以上のサービスを受けたい場合はその差額を出せば、受けることが出来る。

この考え方は、今後医療費にも導入されようとしている。

Ⅳ医療周辺産業

日本の医療費は欧米と比べて低いばかりでなく、その配分も病院に薄く、周辺産業に厚い。

①高い薬剤費比率

現在は20数パーセントに減少したが、尚世界最高である。

新薬の値段が極端に高い。

②製薬会社が儲かる理由

S60年ころから、薬価は切り下げられ約半分になった。しかし、値段の高い新薬に切り替えられるので、薬剤費は減らなかった。

H14年、特許期間が終了した新薬を真似た後発薬剤を処方すれば病院の利益が20円増える制度が導入。

後発薬剤は成分が同じで、3割安いので、今後薬剤費は下がるかも。

過去20年間で開発された新薬3100の内、役立つ薬は49種類だけ。(アメリカは別格として、日本もそこそこのようですけれど~松下貴)

日本で開発された新薬の7割は輸出されていない。他国で承認されない新薬の割合~アメリカ~8% ドイツ~12% イギリス~28%

日本の薬は国内で高く、海外では安い。~その理由は薬価を厚生省の役人が製薬会社の立場に立って決定するため(天下り先の確保)

ぬるま湯業界になった~外資製薬会社の参入。戦後の倒産がない。高収益率。医師5人にMR一人(アメリカ13人、ドイツ18人

               1999年他産業の利益率が数パーセントであったが、製薬会社だけが22.1%であった。

                過去に抗がん剤クレスチンは効果がないのも拘わらず、1兆円稼いだ。

③日本の製薬会社は世界で生き残れるか。

営業マンを減らして、研究費を増やすこと。

国内売り上げ~8兆円(この内半数が輸入薬剤)  輸出額~2000億円  

日本の薬剤市場は世界の15%

海外の製薬会社は、自国で安く売り海外で高く売っているが、日本の製薬会社は逆。

④医療機器の値段

医療機器が高いのは日本特有のこと。

メーカー1000社、卸2000社

⑤院外薬局の是非

同じ薬でも、院内の方は院外より安い。

薬局のチェーン店化が進む。

オーナが薬局で、店子が診療所、と言うこともある。

Ⅴ医療現場の憂鬱

①3時間待ちの2分診療

診察時間は料金に反映されない。再診料590円 薄利多売

点数制度 医療サービスはゼロ点

医療過誤の原因

有名病院に限られる。

②医療サービスとは何か。

社会主義的統制の中にある医療は、資本主義のサービスはなじまない。

医療サービスは「奉仕」である。感謝されたい。(そのような医師は少ない。松下記)

③公私の格差

公立病院への補助金~1,3兆円(年間)

私立病院との公平な競争は成立しない。

私立病院が衰退している~医療の衰退に繋がる。

④救急医療について

日本では常にベットを満杯にしておかなければ、経営が成り立たない。従って、救急患者は入れない

欧米では、すぐ退院させる。救急患者の為に3割のベットを空けておく。

救急医療はお金がかかり、病院はやりたがらない。

財源を確保すべき~行政の怠慢

⑤救急車の値段

救急車が無料なのは日本とイギリスだけ。

⑥高額医療費の功罪

レセプト上位の患者の9割は死亡、残りも社会復帰している人は殆どいない。

患者は高額医療費制度の為に、月に7万円以上負担することはないが、医療保険から支出され、医療費が高くなる原因となっている。

⑦高額医療が良い医療なのか。

生命絶対主義の美名の下に、人間の尊厳が損なわれている。本人のいやがる終末治療は、救命という名の暴力である。

Ⅵ、医師の不安神経症

薬剤、検査が多いのは、儲けるためでなく、誤診を恐れる医師の不安心理からくる。

薬価差益は今はなくなった。

防衛医療~風邪に抗生物質、正常分娩に帝王切開、リハビリを回避(寝たきりにさせる)

訴訟社会は患者に不利益になる。

Ⅶ日本の保険制度

医療の構造が変化したため、この制度は限界にきている。

①国民皆保険の破綻

S36年導入された。 多くは感染症で、短期に結果が出た。今は、慢性病が多い。高脂血漿の概念さえなかった。完治は少なく、継続治療が必要になった。

心筋梗塞は点滴で様子を見るだけで、治療法がなかったが、今は幾多の治療が施される。

がん、糖尿病、高脂血漿が軽微で発見されるようになった。~以前と比較にならないほど医療費が高騰した。

胃がん、肺がん、腎臓は手遅れで死んだ。~腎不全患者は全員血液透析を全員受ける。(これだけで1兆円の医療費)

生命絶対主義により終末医療に医療費がかかるようになった。寝たきり患者の3割は3年以上長生きする。(以前は食事が摂れなければ数週間で死んだ)

40年前の皆保険制度は限界に来ている。

②保険制度にかかわる不満

③現在の医療保険と医療報酬

保険組合の仕事は集めた保険料を病院に支払うだけなのに、権力をかさに、イジメの体質がある~病院への支払いを拒否するようになった。~全支払い額の1~2%

(審査を厳しくした)(年間2000億円)

保険証なしの患者は増加。そのような患者は当然治療費を払わない~年間未納金額は4000億円

法律で未納者の診療拒否を禁じている。保険組合は全額払わないので、全額病院負担のなっている。

④保険診療の矛盾点

病気は多様でマニュアル診療は出来ない。

過剰診療として「医療費の踏み倒し」が行われる。

行政は意にそぐわない医療機関を「行政指導」で締め上げる。

⑤健康保険組合の問題点

健康保険組合は保険料で箱物を作っている~赤字の原因

官僚の天下り先になっている。

レセプト1枚の審査に120円の手数料ととる。合計1680億円になる。

過剰診療で病院からの返金は2000億円になる。

Ⅷ日本の医療の推移と現状

①戦後の医療

S20~390年代~医師が尊敬されていた。 S40年代~医師が傲慢な時代 高給で派手な生活。国民の反感  50年代~医師の権威失墜 

 57年日本医師会の武見太郎が引退で政治力を失う。主導権は厚生省に移る。

H8年薬害エイズ事件  信頼性が揺らぐ。医師バッシング時代。

S50年代後半から医師主導から患者主導に移る。<エホバの証人事件>~輸血が患者の承認を必要とする。

製薬会社に国民の生命を守っている、と言うプライドがない。~利潤追求。

厚労省は責任回避の姿勢。医療費抑制だから、医療が良くなる事はない。

「国民、政治家、医師」が厚労省を動かす。

②医師の技術料

欧米の1割~2割と低い。S52年医師優遇税制が廃止。~医師の潜在的技術料であった。

薬価差益~病院の大きな収入源であった~10円の仕入れ値、100円の公定価格。~現在は殆どない。

消費税が患者から取れないが、仕入れでは支払っている。

日本の医師の収入はアメリカの半分程度。

~医療はどのように受け止められているか~

・国民~生命絶対主義 医師への感謝の気持ちがない 健康はタダと思っている。 医療事故の多発  権威主義 金権主義と誤解している

・マスコミ~儲け主義 大衆迎合  医師批判  薬害エイズ事件のとき、非加熱製剤が原因であることを知りながら、ホモセクシャルの病気である、として報道した。

・厚生省  官僚は与えられた予算の範囲以内で、自己保身の立場で行政しているから、期待してはいけない。かっては医師会にいじめられた。

・政治家~医療の範囲は大きすぎて政治家に理解されない。国民は医療費は安くて当たり前、と思っているので、政治家は医療費削減に努力しない。

・医師~マクロ的に医療を考える余裕はない。

     政治力の欠如 表で国の医療政策を批判しているが、裏で協力している可能性がある。

     マスコミにのせられている

Ⅸ医療事故から考えること

①患者取り違え事件

一人の看護師が2台のベットを手術室に運んだ~看護師不足(規定の人数に達している)

医師が患者と面識がない~ベルトコンベアー式体制

カルテ番号バンドを患者を物扱いにする、と言う理由で行っていなかった。

5人に有罪判決   二人の看護師への救済募金活動は、マスコミの批判で中止された。

医療関係者の勤務体制、効率重視の医療、オートメーション化 最新医療の効果の検証 アメリカ方式の形式的真似。

②麻酔科医死亡事件。

麻薬事件として扱われたが、背景は勤務の過剰がある。

無給医、授業料を支払う、アルバイトをしていた。

医療体制の犠牲者

③安楽死事件 H8年

④都立広尾病院医療事故   H11年

⑤有名病院ほど事故が多い。~新しい医療方法を積極的に取り入れる。 医師等の慢性披露

  クリントン大統領がH12年に医療事故半減宣言発表~と言うことはアメリカも医療事故が多い~医療スタッフの多少は、原因ではない?(松下記)

  国が医療を統制しているので、医療事故は国の責任である。医療の事故費用も国が負担すべき

X、日本の医療費はどこへ向うのか

①国民の願い

医療、福祉、年金への期待が大きくなった。

②どこに問題があるのか。

医療費財源を投入すべし  医療費抑制をやめるべき

③医療の方向性

「出来高払いから包括医療への移行」

風邪、盲腸のように病気別に治療費を設定。~定額医療費へ移行しつつある。~検査、薬剤過多が抑制される。

                           ~最大の欠陥~重症患者を病院から追い出す。(軽症は病院の利益、重症は不利益)

                                   ~過少診療と言う手抜き診療

定額医療費を厚生省が決定する限り、医療機関に犠牲をしいる。

電子カルテル~危険~医師は患者を水、PCばかりを診ることになる。

         ~アメリカでさえ普及率は5%

医療機関の分化の流れ~病院~入院患者~①急性型入院

                            ②介護型入院

               診療所~軽症患者

このような機能分化は必要だが、厚生省は診療所の初診料と再診料を病院より高く設定しているから、この流れと逆である。

厚生省がこのような政策を取る理由~病院の外来を赤字にさせて、病院が自らが以来を縮小するようにしむける。

~病院は外来を廃止し、同じ敷地内に診療所を作る、と言う馬鹿馬鹿しいことが起こっている。

厚生省は診療報酬の値段を、病院別、都道府県別に変えようとしている。

厚生省は方の改正を必要としないで、通達でこの点数を変える手段を持っている。医療費抑制の為にこの手段を行使する恐れがある。~その前に立ち上がるべきだ。

④医療の効率化と医療難民

総合規制改革会議~オリックスの宮内が議長~15人の構成員の内医療関係者はいない。~医療に市場原理を導入しようとしている。~その背後には医療費を患者に転化しようとしている。医療の企業参加は「医療に金儲け主義」を持ち込むものだ。

優秀な企業経営を医療に導入すれば、赤字を解消できる~誤り~すでに、欧米の4倍の効率で経営されているので改善の余地はない。

⑤医療の平等性の弊害

日本の医療は公平に行われているが、時間の不公平、重症患者、軽症患者も平等であるのは弊害である。

忙しく働いている人とそうでない人では、待ち時間などに配慮すべし。

⑥医療報酬の減額が意味するもの。

⑦日本の医療の病巣

人件費の割合が多いほど、医療の質がよく、赤字である。

医師の生涯収入は一般サラリーマンよりやや良い程度である。研修医は無給に近い。

国民は医療に対して20年前の意識しか持っていない。

国民皆保険制度は国民に「医療はタダ」と言う意識を植え付けた

⑧最大の問題点

「中央社会保険医療審議会」で医療費が決定される。~人選~診療側~8人 支払い側~8人  一般人~4人  専門委員~6人

診療側以外は厚生省の僕。専門委員の中に、製薬会社2社、医療卸問屋、医療機器販売会社が6社~営利企業が含まれているのは納得しがたい。

診療側は医師全体ではなく、日本医師会の構成員から構成されている。

現場医師の代表が含まれていないので、現場の実情が反映されない医療費が決定される。

⑨日本の医療の国際評価

WHO~日本1位 アメリカ37位

自分の行きたい病院へ行ける。~フリーアクセスは日本だけが認めている。

フランスの医療~高負担、高福祉

糖尿病で腎不全の場合は人工透析を認めない。喫煙者に心臓バイパス手術を認めない。国もある。CT、MRI過多批判は的ハズレ~多くの人命を救った。

⑩医師は何をすべきか。

XⅠ 医療の未来を考える。

公共事業を半分に減らせば、日本の医療費はただになる。

各政党が立案し、国民に提示して選択するのが本来のありかた。

都道府県単位で医療制度を再構築する

おわりに

<コメント>

医療費を抑制すべきでない、と言うのは理解できるが、今の医師が献身的であるとは思えない。

ワイルの考える壮大な医療改革に対する評価がない。現在の医学、医療を前提に、ただお金を政府に出させようとしているだけである。

医者は悪くない、悪いのは厚生省と医療業界だ、では国民の理解は得られないだろう。

進むべき方向は統合医療である。そこから全ての改革方法が構築されるべきだ。


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