超ミネラル水ショップ 読書ノート 上野圭一著 代替医療(222p)

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上野圭一著 代替医療(222p)

代替とは          「ものを選んでゆくこと」~「「コンサイス20世紀思想事典」

               「現在支配的な価値規範や理念に対して、それに取って代わるような、現在は小さくても、いずれ大きくなっていくであろうさまざまな選択肢を

               平行に並べて、線路を引っ張ってゆく、と言う考え方がこめられている」

               「「反科学」「反医学」「反教育」と言う言葉で表されるような原理を持った運動とは、完全に異なった位相をもった運動。70年代の半ば以降

               大きな流れとなってきた。」

  ・オールタナティーヴの実践

   内的探求への衝動に突き動かされて起こった、新しい時代の精神を模索する運動、と言う地下水脈があった。

   体の復権~手仕事、民芸運動はじめに~医療にもユーザーとプロバイダ-がいる

       新種の「故障部品の修理技術」ではない。

       医療消費者が健康や病気に対する意識をかえる必要あり。 ライフスタイルを変えない限り、医療費を抑えることは出来ない。

       医療は特権的な医者が上から患者に施すものではない。「医者に治してもらう」のではない。

       医療者と患者が対等にパートナーをくみ、患者が医療者の援助を受けながら、自然治癒力を高めて心身をコントロールすること。

       医療はサービス産業である。

1990年代以降、アメリカでは西洋医療に払う医療費を上回るようになた。

       市場は大きくなったが、代替医療の本質を誤解している人が多い。~「治してもらう」と言う意識。不当に高額な価格。

       代替文化としての代替医療~持続可能な代替文明としての代替医療。

       自発的治癒力、生命力

        ワイルの「人はなぜ治るか」「癒す心、治る心」「心身自在」をベースにしている。

1、持続可能なライフスタイル

①オーガニック野菜と代替医療の共通点

  ・賢い消費者に支えられて

   1970年代後半、一部の人が開始。~農家の良心と熱意、 運動家は流通を、賢い消費者

  ・オーガニックやさいは生命の環の一部

   FAO(世界食糧機関)、WHO(世界保健機関)が作った「食品規格委員会」の定義

    「作付け前3年(果実類は収穫前3年)の医薬や化学肥料を使用してない作物=「オーガニック農作物」

    日本は2000年より、この規格を採用

    環境保全、資源循環型の農業

    現代の効率優先の農業は、持続可能性は低い~破滅の可能性が高い。

 ・現代農業と現代医学の共通点

   代替医療の利点~①医療の選択肢を広げる
              ②副作用が少ない
              ③患者の自己決定、自己選択、自己責任意識を高める。
              ④高齢者のケアーに良い
              ⑤代替文明、代替文化の価値に気付く
              ⑥自発的治癒の研究に寄与する
              ⑦コストが安い

    「効率優先」「還元主義」「対症療法」~分子で構成された機械である。

    現代医療の刹那主義~医療廃棄物をフィリッピンまで捨てに行く。

    アメリカの対抗文化(1960~70年代)から生まれた。

②対抗文化から生まれたIT革命

  ・エクスタシーの技術

   「近代合理主義のもたらした科学的世界観を相対化する、シャーマニズム的な世界観」=宗教、医学、心理学が分離していない。

   エクスタシー~人が自己、あるいは通常の意識から脱出して、強烈に高揚した状態になること。~没我、忘我~宇宙との一体感

   「地球的に考え、地域的に活動する」~持続可能性を最優先する

   持続可能性~1992年「地球サミット」で使われた(60年代に対抗文化を担った人により考えられた)

  ・ITと地球的思考

   地球的規模で瞬時に情報交換出来る

   核戦争が起きても確保できる通信手段の開発を目的として1969年アメリカのネットプロジェクトから生まれた。

   実際に技術開発したのは、対抗文化的なNPO~「脱病院化社会」「脱学校社会」

   一部の権力者(「政府」「大学」「大企業」)が独占してきた情報を、すべての人がコンピューターを持つことにより、所有する。~パソコン

   マック開発者(アップル社創始者)も対抗文化の人。~一人に一台のコンピューター

③ITとIKは共生できる。(indigeneous knowlege)

 ・新しい医療を目指した3人の医師~アーノルド・ワイル  デーヴィッド・アイゼンバーグ  ケネス・ペルティエ(ユングの心理学~深層心理学)

2、「代替」とは何か

④代替文明の一環としての代替医療

 ・居心地の良い世界へ

  オールタナティーヴ~「さまざまな選択肢を対抗的に出してゆき、その中から現在の支配的な動向に代わる

   人体~小宇宙 小自然~キリスト教によって蔑まされた人体の復権

   AE~オールタナティーヴ・エネルギー  AT~オールタナティーヴ・テクノロジー

   マスメディアに対抗するアンダーグランド新聞

  ・ホリスティック医学の誕生

   ホロスとヘルスは同じ語源(ギリシャ語)~身体、心、霊性は一体である~現代医学=検査数値が一定の範囲以内ならば健康

   自然治癒力を信じ、安易に医師に罹らなくなった。

⑤先進国に定着した代替医療

 ・代替医療の認知

  最初は「非伝統医療」「非通常医療」と自ら称した(反発をかわすため)

 ・AMからCAMへ

  イギリス~complementary medecine(補完医療)

  ドイツ~医師と代替医療を担う「ハイルプラクテキカー」(健康士)~双方の棲み分け

  ドイツ、オランダ~国民の半数以上が代替医療を利用

  フランス、イギリス~国民の三分の一が代替医療を利用

  アメリカ~80年代に「alternative medecine」の言葉を使用し始める。 1993年 国立保険研究所(NIH)内に「代替医療調査室」を作り活動開始

        1999年補完代替医療研究センターに昇格(予算200万ドル~約2億円)

        2000年予算1億ドル~約200億円

        GNPの15%の医療費を減らす~ローテク ローコスト

        現代医学に依存する人より健康であることは判明してきた

⑥日本特有の奇妙な事情

 ・「オールタナティーヴ」と「代替」の温度差

  日本では対抗文化は育たなかった。~自然エネルギー クリーンエネルギー等

 ・排他的な日本の医療制度

  漢方薬の処方~医師と薬剤師の資格が必要~東洋医学を学んだ人に与えられるべき

  医療の多元主義が日本にはない。~宗教の多元主義があると同じように、近代国家に必要

  鍼灸、指圧、按摩・マッサージ、柔道整復だけが医療類似行為としてあるだけである。~診断する権利、投薬する権利がない

  漢方と鍼灸は同じ原理である。(アメリカでは多くの漢方学校があり、鍼灸師は漢方の処方を行う)

  鍼灸、指圧は欧米では医療として認められ、その専門学校もある~社会的認知を受けている。

  鍼灸師が法的には「お医者さんごっこ」の扱いを受けていることに、怒りをこえて、こっけい感を覚える。

  ・医療消費者のニーズ

  代替医療の枠組みが不明~行政の規制がない~野放し状態~賢い消費者が増えるしかない

  渥美和彦~1998年連絡会を組織(日本代替・補完・伝統等医療連合会)

         2000年日本統合医療学界

  日本補完代替医療学界~金沢大学~健康食品の研究

  2001年日本内科学界~代替医療委員会

  医療消費者に押されて作られた、と言うより学会が旗を振っているに過ぎない。

  このリーダー達は、対抗文化という背景を持たない~「代替文明の一環としての代替医療」と言う認識を持つことが出来ない。

  持続可能な文明、と言うヴィジョンを世界の人々と共有できないでいる。

 代替医療の枠組みさえ出来ていない。

 代替文明の一翼としての代替医療になりえない。

3、代替医療の世界

⑦非合理的な医療でも治ることがある。

 ・アイスマンの病歴と治療暦

  1997年新石器時代の男の凍結死体発見(5300年前)~15箇所の刺青の後が、鍼灸のつぼと一致~針治療の初期形態を示す

  石器時代のユーラシア大陸で普通に行われていた~中国だけ引き継がれた

  毛髪の残留金属量が極端に低い 菜食であった 

  動脈硬化、腰椎関節炎 消火器疾患~ホップの実(ハーブ)

 ・本能としての医療

  5300年前に、鍼とハーブを知っていた

  バクテリア、プランクトンでさえ、食べられるものを見分ける能力を持つ

  動物は具合が悪くなれば~物陰で安静、絶食、特定の植物とミネラルを摂る、

 ・医療=科学とは限らない

  WHO~世界の60~80%の人は代替医療を取り入れている。

⑧ ホメオパシーとオステオパシー

 ・体系化された代替医療 中医、アーユルベーダー等の伝統医学

                  19世紀の西洋医学~ホメオパシーとオステオパシー

 ・常識にとらわれない治療法

  英雄医学の時代~瀉血 瀉下 催吐 発汗 になじめなかったハーネマン~スゥェーデンブルグの神秘主義に傾倒

  「癒し」が「神」や「自然」のワザであり、医師はただそれを懇篤に手助けするだけだ、~ヒポクラテス伝来の信念を持っていた。

  「類似の法則」~類は類を治す~健常者に特定の症状をおこす物質は、それと類似した症状を呈する病者を治す作用がある。

            発熱の時は解熱作用の薬ではなく、発熱作用のある薬が正しい処方である

 「無限小の法則」~「正しく希釈されれば、投与量は少ないほど良い、病気に対するからだの生命力を効果的に引き出す。」

             「振とう」

              =分子が一個もない状態まで~科学では説明できない。

              ~薬剤が通り抜けた、と言う記憶、情報が大切~スピリッツ、エネルギー

  ホメオパシー医への転向者が多数いた

  その学校は今でもヨーロッパに多くある

 ・アロパシーを超えるホメオパシー

  1830年~フィラデルフィアに「ハーネマン医学校」開設

         40年代のコレラには、アロパシーより有効だった。

  1848年~AMA(アメリカ医師会)設立~ホメオパシー排斥運動開始~多数は屈してゆく

   1970年代対抗文化を背景として復活

  ドイツ~医の多元主義が定着

       ホメオパシーの薬が市販の薬局で取り扱われている。

  イギリス~ハーネマンの時代から、王室はホメオパシー

  ワイル~「なぜなら、そのことによって、天と地の間にはアロパシー思想では夢想だにできないことがおこりうるのだ、と言うことを思い知らされるからなのだ。」

 ・骨格矯正で万病を治すオステオパシー(骨調整療法)

  アンドルー・スティルス~19世紀の薬剤進行を批判する

                 関節を調整し、骨格のゆがみを矯正して筋肉と神経に弛緩や緊張の刺激を与え、間接的に血液やリンパの循環を改善することで

                 症状が緩和される。

                 その根本的な思考=「人間の肉体は生命力とよばれるみえない力によって動かされている機械であり、それが調和的にうごかされ

                               るためには、血液・神経・動脈がその発生地から目的地まで、何者にも邪魔されないことが必要だ。」

 サザランド~頭仙骨システム(一次呼吸)

         ①頭蓋骨を構成する26個の骨の接合部も関節の一種であり、微細な運動をしている。

         ②脳の両半球や脳と脊髄を覆う巻く組織も膨張、収縮を繰り返す。

         ③脳脊髄を浮かべる髄液にも流体運動がみられる。

         ④仙骨も微細な不随意運動をしている。

 フルフォード~手技により頭蓋骨と仙骨の間接を調整することにより、多彩な病気を治す。

 ・認められた異端療法

  1970年~ミシガン州公認のオステオパシー大学設立

  現在は15校あり、アロパシー医と同等の資格(物質化した手技)

⑨物質からエネルギーへ

 ・物質がすべてではない。

 ・共通言語は生命力

  リチャード・バーガー~7つの階層 ①物質界②肉体/エーテル体接触面③エーテル界④アストラル界⑤メンタル界⑥コーザル界⑦より高い霊的エネルギー界

  統合医療が可能となるには~両者を統一的に考える枠組みが必要。=「生命力」~数値化できない難点がある

  多くある代替医療に共通するもの=「生命力の存在を認め、自発的治癒力の賦活を目標にしている」

4、自発的治癒

⑩治癒は自然現象である

 ・岩や星も治癒する

 ・アンドルー・ワイルの講義~宇宙に存在するあらゆるものは、不都合が生ずると、損傷を修正して均衡を保つ性向がある。~治癒の原動力

                  科学が治癒系に注目し始め、細胞の成長や分化を調節する電気化学的メカニズムが解明されれば、いつの日にか、

                  損傷を受けた心臓や脳、切断された脊髄の再生を誘発することも不可能ではない。~治癒志向医学

                  治癒は、心身が損なわれれば、いつでもおこるべくしておこる。~宇宙に普遍的な原理

 ノーマン・カズンズ~治癒系を提唱(1980年代)=脳神経系と内分泌系と免疫系の複雑な相互作用

                   免疫系は感染症を防ぐことはあっても、骨折や傷を修復するものではない。

⑪「治癒系」の仕組み

 ・DNAの自己修復機能~エンドヌクレアーゼと言う酵素が損傷部分を認識し、切断する。DNAポリメラ-ゼと言う酵素がその間隙を無傷のヌクレオチドでうめ、

                 最後にDNAリガーゼと言う酵素が切断されている両端を結びつけ、修復を完成させる。

                 免疫系でもなければ、脳からのメッセージを伝達する神経系もない~生物と無生物の境界領域にある巨大分子のレベルに明確な

                 治癒メカニズムがある。

 ・細胞膜でも、傷ついた構造と機能を認識し、除去と置換を行う。

 ・組織レベルの治癒~創傷治癒

      「治癒系は細胞の成長と増殖すを左右する、促進因子と抑制因子のバランスのいい相互作用に依存している」

      不可逆的と思われていた、動脈硬化が、可逆的であった。

      「ひとりの人にこの種の治癒がおこりうるのならば、すべての人におこりうる、と信ずる。人間には治癒の回路と装置はすべてそろっている。

       最大の課題は、そのプロセスを動かすためのスイッチのいれかたをみいだすことなのだ。」

 ・医学用語ではない「生命力」

    「最新医学大辞典」~  「薬剤や手術など、特別な治療行為を行わず、疾病の治癒が得られること。生体が本来持つ防御力、免疫機構などのより、

                    治癒あるいは寛解が得られるものと推察される。」

   「代替医療事典」(仮称)~「生体が本来備わっている、全体/完全な状態に回復する特性のことをいい、その機能水準が低下した時にはじめて薬剤や

                   手術等特別な治療行為を行う。」「自発的に、又はその自発性を誘導する治療によって、治癒又は寛解が得られるのは、

                    免疫系、脳神経系、内分泌系などを統合している、上位の治癒系(healing system)の作用によるものであり、治療技術の評価は

                    この生得的な自発的治癒力をいかに賦活するかにかかっている。」

12、「治る力」への信仰

 ・「自然良能」は「自然治癒力」としてよみがえる。

   19世紀後半まで欧米の医学生はヒポクラテスの著書は必読書であった。

   physicianの語源はphusis~自然

   明治17年医制発布

 ・心身のホメオスタシスを支える自発的治癒

   1930年「人体の叡智」キャノン(米)

   1959年翻訳~自然治癒力に近代的な解釈を加えることにあった。

             「良く訓練された医師は、体の自己調節作用の可能性と限界を十分心得ているものだ。医師はそうした知識を身につけ、

             それを冷静な行動に役立てるばかりではなく、助言を求める患者を励ます手段としている。」

    ワイル~恒常性を求めるのは宇宙の特性である。

5、代替医療はなぜ効くのか

⑬「活性プラシーボ」としての治療

 ・体質改善のプログラム

   治癒系の活動に必要な要素が不足している~特定の栄養素、気

   生活習慣病~治癒系に必要な物質、エネルギーが過剰、又は不足している

   がん~自発的治癒力の長期にわたる衰弱

 ・プラシーボ反応

   患者の治癒系にスイッチを入れる

 ・プラシーボは無意識から生まれる。

 あらゆる治療は「活性プラシーボ」としての作用があるから効果がある。

 ・サイケデリック薬の実験

 ・注射も鍼も「活性プラシーボ」として働く

 ・「効く」為の三大用件 ①患者がその治療の効果を信じていること②治療家がその治療の効果を信じていること③患者と治療家が信じあっていること

 ・「効く」の複雑性~治癒系のスイッチが入ること

⑭QOLを高める代替医療

 ・帯津医師の挑戦

  気功は癌の再発防止に役立つ

 ・代替医療で治る快感

 ・医療における持続可能性

  医療廃棄物 感染性廃棄物

6、自己を<いのち>にゆだねる

⑮機械論と生気論を併せ呑む

 ・代替療法の複雑性

 ・互いの欠点を補い合って活用すること

 ・反目する二つの生命観

  生気論と原子論

 「2は1と1だから、1についてしると、2を知ったように思うが、「と」については何も知らないし、知ろうともしない。」

 DNA情報は決定的なものではなく、生命はDNA情報の中から、環境の変化に応じた最適な情報を得る自由を持っている。

・セルフヘルプの思想~柳沢和子

 現代医学と代替医療から選択して、自分流に組み合わせること~医療の賢明なユーザー

<コメント>

1年ほど前(2007年3月)に読んだ本です。このHPに「代替医療」と言う項目を追加しようと思って、読み返してみました。

著者は鍼灸師であり、ワイルの本の訳者です。日本には対抗文化の背景がないので、代替医療の枠組みさえなく、

一部のリーダがただその旗を振っているだけだ、と指摘しています。一方で、健康食品をはじめとする代替医療の市場は無秩序に

大きくなっています。しかし、このことは日本の医療全体をよいものにしているとは到底思えず、医療費は増大するばかりです。

(国民負担は増えるばかりです。)

現代医療と代替医療はその生命観が異なるので、両者を統合するのは難しいと著者は指摘しています。確かにそうなのでしょう。しかし、

そう難しく考えずに、両者の役割を明確にして、棲み分けることは出来ないのかしら。いずれにせよ、医療の消費者たる私たち一人ひとり

が、自立した患者になることが最も大切なことのようです。

最近良くマスコミで使われる「持続可能性」と言う言葉も、70年代からの長い歴史があることを知ることが出来ました。(2008・5・3)

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